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「パイオニア」の存在

 在日同胞社会での芸術体操(新体操)普及に尽力してきた在日本朝鮮人芸術体操研究会が先日、これまでに蓄積した経験を基に在日本朝鮮人芸術体操協会を設立した。

 「機が熟した」。協会設立に奔走した副会長兼理事長の韓錦女さんはこのように語る。地道に続けてきた発表会、大会開催が実を結んだ。

 結成集会の報告で韓さんは、「体連をはじめとする総連の関係者、そして物心両面において支えてくれた卒業生たち」に感謝の意を伝えた。

 韓さんがとりわけ強調したのは、先輩たちの人知れぬ労苦があったからこそ、協会の設立が実現したという点だ。「在日同胞社会におけるパイオニアたち」と呼んだ。

 「パイオニア」のひとり、柴松枝さん。現在、女性同盟山科支部の非専従委員長を務める。柴さんは日本女子体育大学を卒業した1962年、東京朝鮮中高級学校に赴任し徒手体操、手具体操を体育授業、部活動に取り入れた。

 数年後、柴さんのあとを継いだのが同じ大学の先輩、宋恵淑さん(芸術体操協会顧問)だ。脈々と代が受けつがれ、土台が築かれてきた。「ほんとうに感慨深い」と韓さんは力を込め語っていた。

 韓さんは2007年、朝鮮民主主義人民共和国功勲体育人称号を授与された。「芸術体操が認められた」と先輩らの労苦を思い浮かべたという。「継続は力。何もかもこれからだが、頼れる人材が存在する。人は宝物」と強調した。(東)

[朝鮮新報 2008.4.28]