4.24教育闘争60周年記念 民族教育大阪同胞フォーラム08 |
権利拡大、全同胞の運動で 将来を展望、民族教育の課題も提示 4.24教育闘争60周年記念「民族教育大阪同胞フォーラム2008」(主催=大阪府民族教育対策委員会)が18日、大阪市中央区のドーンセンターで行われた。民族教育関係者をはじめ同胞、活動家、学生、保護者ら約500人が参加した。 「今こそ行動を」
集会では、4.24教育闘争と民族教育の歴史、民族教育の権利拡充運動、同胞社会と民族教育を主題にしたパネルディスカッションのほか、大阪朝鮮高級学校生徒たちの文化公演も行われた。 集会には「外国人学校及び外国人子弟の教育を支援する議員連盟」幹事長の山下栄一参議院議員(公明党)、府議らをはじめ朝鮮学校を支援する多くの市民から連帯メッセージが送られてきた。 基調報告を行った大阪府民族教育対策委員会の夫永旭委員長は、4.24教育闘争と総連結成以後の民族教育事業について解説。60余年間に10余万人の卒業生たちを同胞社会に送り出し、在日朝鮮人運動を継承する確固たる土台を築いたと強調した。そして今こそ10年後、20年後を展望して行動を起こし、民族教育の土台を固めなければならないと指摘した。 パネルディスカッション
基調報告に続き対策委員会の李英敏事務局長の司会のもと、パネルディスカッションが行われた。 東大阪朝鮮中級学校などで教員を務めた余日花氏は、4.24教育闘争当時、同胞女性たちが学校を守ろうと、武装した米憲兵、日本の警官たちの脅迫に屈することなく身を投げうってたたかったとしながら、そこには民族の魂があったと強調。「世代は変わっても民族の魂、血脈は変わらない。どんなことがあってもみんなで手を取り合って最後まで学校を守ってほしい」と切に訴えた。 大阪市で民族学級の講師として38年間、活動してきた大阪市民族講師会の朴正恵共同代表は、民族学級が子どもたちに民族の魂を持たせるうえで重要な役割を果たしていると強調。すべての子どもたちに民族教育を保障するためにも民族学級の拡大と制度的保障、民族との出会いの場である「民族交流会」の拡大が重要だと指摘した。 在日朝鮮人たちの権利擁護拡大のために活動する在日本朝鮮人人権協会の金東鶴事務局長は、在日朝鮮人の権利運動の過程について述べ、朝鮮学校に対する寄付行為の税制上の差別的措置を「学習権の侵害」だとして改善を求めた3月24日の日本弁護士連合会勧告について解説。これを突破口に民族教育の全面的な法的保障を獲得するため、多くの外国人学校、日本市民たちとの連帯の中で運動を広げることが大切だと訴えた。 地域の子育てサークル「トトリの森」の運営を通じ若い同胞女性との交流を深め、地域同胞たちの子育てへの関心を集めた経験を語った女性同盟東成支部の呉民淑子女部長は、保護者が安心して朝鮮学校に送れるよう学校と地域の連携のなかで子育てに取り組み、朝鮮学校への理解を深めてもらえるようにしていかなければならないと訴えた。 2006年に年間を通じて学校創立60周年記念行事を推し進め、愛校運動を地域的運動として広げた経験について語った東大阪朝鮮初級学校の柳政彦校長は、「民族教育は地域同胞社会の未来、地域同胞社会は朝鮮学校の根っこ」と述べ、砂漠で木が育たないように民族教育を同胞社会との関連の中で、すべての同胞の関心の中で発展させていこうと訴えた。 アピール文発表 集会では、パネルディスカッションに基づいて、大阪府民族教育対策委員会がアピール文を発表した。▼民族教育の理念を継承すること、▼時代と同胞社会の要求に対応することができる民族教育に発展させるため団結して取り組むこと、▼正当な権利である民族教育権を擁護拡大する運動に積極的に取り組むこと、▼学校と準教育の場、子育ての場を同胞たち誰もが集える開かれた場として築いていこうと呼びかけた。(李泰鎬記者) [朝鮮新報 2008.4.23] |