大阪の朝鮮学校支援団体などが集会 今後もさらなる交流を |
「今こそつながろう! 朝鮮学校との交流でみえたもの」が3月26日、生野区民センターで行われた。「チョソンハッキョを楽しく支える生野の会」「西大阪朝鮮初級学校アプロハムケ」「1%の底力で朝鮮学校の民族教育を支える会」「アプロハムケ北大阪(北大阪朝鮮初中級学校を支える会)」「中大阪朝鮮初級学校とともに歩む会」「ハナから〜日朝友好プロジェクト」「平和の糧」など、大阪をはじめとする近畿地方で朝鮮学校を支援する活動を行っている市民団体が初めて共催した集いには、120人を超える同胞と日本市民らが参加した。 初の共催
集いでは、「チョソンハッキョを楽しく支える生野の会」の長崎由美子代表があいさつ。朝鮮学校を支える大阪の諸団体が共催して集いを行うのは初めてだと述べながら、日本社会全体が在日朝鮮人の民族の心を守っていくような社会にならなければならないと語った。 つづいて生野朝鮮初級学校での放課後子ども教室への助成問題、北大阪朝鮮初中級学校との交流を続けてきた東淀中学校からの報告、朝鮮に送る支援米作りを通じた交流、大阪朝鮮高級学校グラウンド明け渡し裁判に関する報告、同裁判を支援する署名活動に関する報告が行われた。 生野初級の放課後子ども教室への助成問題では、これまで文部科学省の予算で年間100万円が支給されていたものの、昨学年度から市の委託補助事業になったことで打ち切られたことが報告された。そのうえで、今学年度からは大阪市内の朝鮮学校が共同で助成金を獲得するための活動を展開していくことが話された。 北大阪初中との交流を続けてきた東淀中教員の南崎美知子さんは、これまで北大阪初中の運動会や東淀中の文化祭に互いに参加するなど具体的な交流の内容について述べながら、「当初は、仲良くできるだろうかと心配していたが、私たち大人が思っているより子どもたちはすんなりと仲良くなった」と述べながら、「この間の交流を通じて、子どもたちはもちろん私たちも認め合える『違い』というものを確認できた」と語った。 また、両校の子どもが互いに「同じ」だと感じることで、さらに交流が深まったと述べながら、中には北大阪初中の「イケメン」生徒に注目する東淀中の女子生徒もいることを紹介した。 そのうえで、最近では父母同士の交流も活発になりつつあるとしながら、これからも朝鮮学校の問題を自分の問題としてとらえ、在日の人たちと共にがんばっていきたいと抱負を語った。 朝鮮への支援米を西大阪朝鮮初級学校と大阪福島朝鮮初級学校の子どもたちと共に作る活動を行っている「平和の糧」、西大阪朝鮮初級学校への支援活動を行っている「1%の底力で朝鮮学校の民族教育を支える会」を代表して報告した伊関要さんは、厳しい状況の中でも米国と対等に渡り合っている朝鮮の姿に感銘を受けたと述べながら、「最近では日本のメディアが悪い報道をしているのを見ると、朝鮮はがんばっているというのを感じることができる」と笑った。また、「1%の底力」がこれまで、遮光幕や鉄棒などを西大阪初級に寄贈してきたことを紹介しながら、「朝鮮学校がすばらしい教育をしていることを、子どもたちを通じて知ることができる。在日の人はみんな気さくでいい人だ」と述べた。 「元気になる」 大阪朝高グラウンド明け渡し裁判弁護団の普門大輔弁護士は、今回の裁判は大阪市民と府民、ひいてはすべての保護者たちが子どもの学び場を守れるのかを問う裁判だと指摘。裁判経過について具体的に報告し、「相手から起こされた裁判で、日が経つにつれて支援の幅が広がるというのは弁護士としてとても元気になる。裁判所側も、口には出さないがそれを感じている」と述べた。 そのうえで、4月23日に口頭弁論が行われることに触れながら、裁判がこれからも続く中、変わらぬ支援と協力を訴えた。 同裁判を支援する署名活動など、在日朝鮮人の権利の保障と日朝国交正常化のために活動している「ハナから〜日朝友好プロジェクト〜」の山根実紀さんは、これまで約3万人分の署名が集まったことに触れながら、「地道で小さな活動かもしれないが、これからもがんばっていきたい」と力強く語った。 集いでは、「中大阪朝鮮初級学校とともに歩む会」の富田毅共同代表が府知事宛に朝鮮学校の処遇に関する質疑書を送ることに関するアピールを行ったのに続き、「西大阪朝鮮初級学校アプロハムケ」の有元幹明代表があいさつした。 有元代表は、共同代表を務める「日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯・大阪」の活動を紹介しながら、朝鮮学校の処遇を改善するうえで、国交正常化が何をおいても実現されなければならず、そのために日本人と在日朝鮮人が「アプロハムケ(前に、共に)」進んでいこうと訴えた。 [朝鮮新報 2008.4.7] |