「市民連帯・大阪」結成2周年記念集会 |
歴史を継いで真の友好を 「日朝国交正常化早期実現を求める市民連帯・大阪」(市民連帯・大阪)結成2周年記念集会「歴史を今に継ぎ、真の連帯を! −強制連行、阪神教育闘争…そして朝高グラウンド裁判を闘い抜くために−」が2月14日、アピオ大阪で行われた。集いには、126人の同胞と日本市民らが参加した。今回の集いは、4.24教育闘争60周年を迎える年に大阪朝鮮高級学校運動場の明け渡し訴訟が行われていることと関連し、在日朝鮮人と日本市民との連帯を通じて民族教育を守っていくために、過去の歴史を振り返り、同裁判の歴史的な意味を共有しようとの目的から行われた。 2つの講演
集いでは、主催者を代表して「市民連帯・大阪」の有元幹明共同代表があいさつした。 有元共同代表は、結成から今日までの2年間の活動を振り返り、今年の情勢の展望と活動計画について語った。 続いて、2つの記念講演が行われた。 最初の講演では、朝鮮人強制連行真相調査団の洪祥進・朝鮮人側事務局長が「在日朝鮮人の人権問題を解決するためには、まず歴史を知らなければならない」と指摘。日本が過去、朝鮮人に何をしたのかについて話しながら、どのような歴史のもとで現在、朝高運動場明け渡し裁判が行われているのかについて語った。 洪祥進事務局長は、日本が1905年条約により朝鮮から外交権を奪った後、1910条約で朝鮮半島を「占領」したと指摘。これらの「条約」は国際法に照らしてもまったく正当性がないにもかかわらず、日本だけが「合意のうえでの併合」と主張し、その誤った認識が現在も日本の民衆の中に根付いていると語った。 また関東大震災時、何の根拠もなしに行われた朝鮮人虐殺が、自警団のみならず国家権力によってもなされたことは明白であることや、強制連行被害者の遺骨が非人道的に取り扱われている事実に言及した。 そのうえで、歴史を振り返ってみても現在行われている朝鮮に対する「制裁」をみても、日本は人種差別撤廃条約に違反していると批判しながら、平和を守るためには人権を守らなければならず、日本がまず解決すべき人権問題は朝鮮学校の問題だと強調。過去の歴史を知り、現在の問題とどのようにつないでいくかがとても重要だと締めくくった。 裁判勝利を決意
続いて、朝高運動場裁判弁護団団長の丹羽雅雄弁護士が講演し、「日本人の尊厳にかけてもこの裁判闘争に勝利しなければならない」と強調した。 丹羽弁護士は、1945年の敗戦後、日本社会が何よりも先に果たすべきだった国際的責務は、朝鮮人の奴隷状態を解消し、彼らの自由と独立に対するあらゆる妨害行為をしないことだったにもかかわらず、「国体護持」のために在日朝鮮人を弾圧し、政治的権利を剥奪することから始まったと指摘した。 また、本来土地区画整理事業とは「街づくり」のために何かを「生み出す」ために行われるべき事業であるにもかかわらず、なぜ子どもたちの学びの場が奪われなければならないのか、ここには東大阪市が朝鮮学校の持つ歴史的な意味をまったく理解していないという事実があると強調した。 そのうえで、普遍的な人権の中には「母語で普通教育を受ける権利」も含まれているとしながら、日本には在日の子どもたちが朝鮮語で朝鮮の歴史と文化を学ぶことを尊重する国際的義務があると指摘。東大阪市による提訴は、覚書を交わし長年にわたって市側と朝高側が協議を続けてきていた流れを突然打ち切る形で行われたものだと述べながら、「仮に東大阪市がこの裁判によって朝鮮高校の運動場の4分の1を得たとしても、それを用いて達成されるべき行政目的も必要性も存在しない。在日の子どもたちの学び舎の基盤となる運動場を奪うのか、奪わないのか? 裁判を多くの市民が監視し、勝利に向かってできうることをひとつでも実践してもらいたい」と結んだ。 集会では、「大阪朝鮮高級学校のグラウンドを奪うな!」日本人側署名実行委員会の伊関要代表が特別報告を行った。 伊関代表は、これまでの署名活動について報告し、この日の集会に先立って市側に5750人分の署名を提出したことについて言及した。また、1月に行われた「全国高校ラグビー大会」の会場で署名活動を行った際、多くの日本市民が協力してくれた事実と、大阪朝高の1回戦の相手である新潟工業ラグビー部の監督も署名に協力してくれたことについて紹介した。 そのうえで、大阪府民族教育対策委員会が2月4日に市側に提出した約2万2300人分と合わせ約3万人分の署名が提出されたと報告した。 集会では、新たに共同代表に就いた加来洋八郎氏が閉会のあいさつを行った。 集会後に行われた交流会で参加者らは、裁判での勝利と日朝国交正常化を実現させる決意を新たにした。【大阪支局】 [朝鮮新報 2008.3.3] |