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強制連行・徴兵犠牲者還送遺骨追悼式、祐天寺 101体が遺族の元へ

「すべての遺骨戻るまで『戦争』は終わらない」

黙とうを捧げる参加者たち

 「韓国出身戦没者還送遺骨追悼式」が22日、祐天寺祐光殿(東京都目黒区)で行われた。

 旧日本軍によって強制連行、徴兵され、故郷に戻れずにこの世を去った101体の遺骨が、60余年の歳月を経て遺族の元へ戻った。

 現在、祐天寺には1135体の遺骨が安置されており、うち2005年に始まった日本と南朝鮮両当局の調査によって288体の身元が判明した。

 朝鮮人強制連行調査団や日本の市民団体はこれまで数回に渡り追悼集会を実施し、ここに北南の遺族たちを招待してきたが、日本当局の不当な措置によって朝鮮にいる遺族たちの日本への入国はただの一度も実現していない。

◇      ◇

 追悼式には木村仁副外相、岸宏一副厚生労働相をはじめとする日本当局関係者と全基浩・日帝強占下強制動員被害真相糾明委員会委員長ら南朝鮮当局関係者、祐天寺代表、南朝鮮在住の遺族たちが出席した。

 木村仁副外相、岸宏一副厚生労働相、全基浩委員長らと遺族を代表し故金正峰氏の実弟、金慶峰氏(71)が追悼の辞を述べた。

沈痛な面持ちで式場に入る遺族たち

 木村仁副外相は「植民地支配により多大な損害と苦痛を与えたという歴史的事実を謙虚に受け止め、これに対し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを有している」ことを表明し謝罪した。

 全基浩委員長は「軍人、軍属だけではなく労務者として強制動員されて犠牲となった被害者たちの遺骨収集と返還の協議が続いているが、いまだ満足できる成果は出ていない」と述べ、より緊密な協調体制の構築を呼びかけた。

 金慶峰氏は「兄が徴兵されて家を出発するとき、帰ってくるのがこのように63年もかかるとは夢にも思わなかった」「兄が帰ってくる日を知るために字の読めない祖母が新聞を片手に涙を流していた姿がまだ脳裏に焼きついている」と家族の苦悩を語り、「なぜこんなにも時間がかかったのか、なぜこんなことになってしまったのか」と怒りを込めて語った。

 追悼式は献花に続いてサルプリチュムで閉会した。

 真相糾明委員会の朴聖圭事務局長は式後、今後の活動について2次、3次と引き続き全国視察、実態調査を進めていくと述べた。

 遺族たちを見送りに来た「朝鮮人戦争被害者追悼会」をはじめとする日本の市民団体のメンバーは「遺骨は今まで密かに返還されてきた。遺族を迎えての返還は今回が初めて。本当によかった」と話しながらも、うれしいような、切ないような心境だと語った。

 また、朝鮮半島北部出身者は依然として無視されていると強調し、「遺骨が無事戻るまで遺族たちの『戦争』が終わることはない」と指摘した。

 日本政府は祐天寺をはじめ日本各地に点在する遺骨を朝鮮の遺族にも早急に返還しなければならない。そのためには朝鮮の遺族たちの日本入国を一日も早く認めるべきだ。(尚)

[朝鮮新報 2008.1.28]