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「苦境を笑い飛ばして」

 上京した友だちに会った、とは言っても彼女とは初対面。少年団新聞の文通コーナーに載った娘に手紙をくれたのが私の母校・四国初中の生徒で、うれしくて私も母親に手紙を書きメル友に。実際会えば何十年来の友のよう、ウリハッキョのつながりってすごい。

 生徒数が少なく経済的にも難しい中、母校の健闘ぶりは、新報にもよく載る。彼女はこうも言う。「でも、ただの美談で終わってしまいたくないんだよね」。厳しいけれどこんなにがんばっているという記事に、感動し涙する読者、それは大抵「すばらしいけど私には無理」という外からの視線。本当に欲しいのはそんなものではなく、子どもたちがチョソンサラムとしてしっかり学び育つことのできる標準的な環境。あぁ、嘆かわしい地域的格差! だからオモニたちがどんどん声をあげていかなければ。行政に対しての積極的な働きかけも必要だし、私たちのシステムの中にも改善すべき点はいくらでもある。

 がんばろうね、子どもたちの未来のために、と一致。だが悲しいことに、ちょっとやそっとのがんばりでは状況は変わらないのですよ。となると苦境を笑い飛ばす強さや楽観性だって必要。「待ってなさい! 宝くじが当たったらオンマがハッキョのばく大な借金払って、足りないもの全部買ってあげるから!」「わ〜いオンマ、絶対当ててね〜!」「まかせといて!」。無邪気に喜ぶ子どもたちのそばで、「その場合、オレのクルマも買い換えてもらえるのかな」と夫がポツリ。まぁ、残念ながら宝くじが当たったためしはありません。(朴明姫、主婦)

[朝鮮新報 2007.10.12]