あなたにとって「統一」とは何ですか？

　統一、ひとつになること。祖国が解放されて６２年もの間、私たちはこの言葉をずっと唱えてきた。でも私がこのことを意識するようになったのは、学校を卒業して社会人になってからだ。

　私にとって祖国統一は、「元に戻すこと」。すなわち北南朝鮮が自由に往来し日本とも平和な関係を築くことだ。日本では同胞らが通名を使わなくても生きていけるようにすること、お互いを認め、信頼し合い共存すること、そして、平和な世界を創ること。

　先日、朝鮮半島を「統一列車」が走った。私たちが日頃、「釜山から列車に乗って祖国縦断の旅をしよう」と、夢のように語っていたそれが一時的にせよ叶ったのだ。でも、恒常化するまでには、まだまだ紆余曲折があるだろう…。

　拉致問題は、在日に深い傷をもたらした。在日への弾圧が加速化され、統一への道にも大きな障害をもたらしている。政治は人のためにあるはずなのに、それが成されていないとよく思う。今の世界を見渡すと、核兵器や武力を持って国の力を誇示したり、戦争を仕かけたりすることがいかに愚かなことであるかがわかる。それは国家の名を借りて一部の政治家たちがしているだけのことである。

　１世たちが望んでやまなかったのは、統一した祖国へ帰り、家族みんなが人として普通に生きることではなかったのか…。未来には、差別のない平和な世界を、そのための「統一」を実現しなければと、心から思う。（李英姫、女性同盟静岡、非専従）

［朝鮮新報 2007.6.16］