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「舞台へのいざない」

 先日、昨年度の学生芸術祝典のビデオを見た。去年、最後まで観れなかったのが心残りで借りたのだった。初級部の男子が弾くカヤグムに会場がわいた。チョッテの独奏、九州のサムルノリ、神戸の吹奏楽もすばらしかった。子どもたちは年に一度、この優秀作品発表会に出るため、日夜練習に励んでいる。私は毎年、芸術祝典やピアノ競演大会に足を運んでいる。かれこれ10年が過ぎた。自分の子どもを見たいのはもちろん、ほかの学校の生徒と比較したり(?)、審査員気取りで楽しんでいる。

 ウリ学生たちの舞台度胸と技量は大したものだ。民族楽器、舞踊、歌、吹奏楽、どれをみても日本の名だたる学校に引けを取らない。幼いときからの舞台経験は、子どもたちの情緒を豊かにさせてくれる。それを生で観ずして何とする! と思う親バカは私1人ではない。全国からオモニ(アボジ)たちが熱い視線、声援を送っている。

 舞台は楽しい。私自身も舞台の思い出がたくさんある。大舞台のど真ん中で見事に転んだことや、相手役のメイクがおかしくてふきだしてしまったこと、目の前で泣くハンメたちと一緒になって泣いたこと、夜遅くまで指人形作りや衣装を縫ったこと、汗だくになりながら着ぐるみを着て、学校公演をしたことなどなど…。舞台は上がるのも楽しいが、練習、準備過程がそれに勝るほどまた楽しい。

 在日コリアンは民族性、芸術性に長けている。その誇りである伝統文化を大事にして、これからも彼らの舞台へ足を運ぼう。(李英姫、女性同盟静岡、非専従)

[朝鮮新報 2007.5.19]