姪のがんばりに金賞を |
私には姪がいる。彼女は小学3年生。ある日の夕方、興奮覚めやらぬ弾んだ声で彼女から電話がかかってきた。「イモちゃん、やったやった!」。ウリ口演大会に出場し見事、金賞を受賞したという。 彼女は練習期間、学校ではもちろんのこと家でも即席の舞台を作り、家族を観客に見立てては毎日の練習に明け暮れた。いつの間にか私以上にウリマルの大好きな女の子に成長していた。 そんな彼女は去年の秋、女手一つで子育てをすることになったオンマ、そして妹と一緒に祖父母の家でお世話になった。電車を2回乗り継ぎ自転車に乗って学校まで登校する日々。通学時間は往復20分から3時間になったが、彼女は一日も休まずむしろ長い道のりを楽しみながら通った。車窓から見える青い空、かき分けて行く人混み。電車に揺られながら彼女は何を思っていたのだろう。大きな環境の変化をどのように受け止めていたのだろう。去年の暮れ、彼女はお世話になったみんなに手紙を書いた。「いつも私のために駅まで車で送り迎えしてくれたハラボジ、コマッスムニダ。毎朝4時に起きてくれたハルモニ、早起きして、ねむかったよね。ハルモ二のお弁当、本当においしかったよ。いつも私をハッキョまで送ってくれたオンマ、仕事大変だったね。これからもお手伝いがんばるね」。 小さな胸に現実をしっかりと受け止め、何事にも前向きに立ち向かった姪。いつも笑顔を絶やさず元気いっぱいな彼女に、私からも金賞を、いや、金賞以上のメダルをかけてあげたい。(金良江、民族学校講師) [朝鮮新報 2007.2.15] |