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子どもたちの民族心−「形を整え中身を育てる」

 先日、1歳を迎えた姪の誕生祝いの席で。はじめてのチマ・チョゴリを着た姪は、幼いなりにもその美しさがわかるのか、さもうれしそうに目を細めていた。その姿を写真に納めようと、十数人の親せきらがシャッターを切り、姪は愛嬌たっぷりの笑顔を振りまいた。

 もう10年以上も前のことになるが、東京・新宿に住んでいたある先輩が、「最近の韓国の女の子たちはチョゴリの着方も知らないのよ」と、あきれ気味に話していたのを思い出した。オッコルムの結び方がわからず、先輩の家へ訪ねて来たのだと言う。また、知人の韓国料理店の女主人は、「最近の韓国の子どもは、キムチよりピザが好きなのよ。キムチを食べられない子どもはめずらしくない」とこぼしていた。内心、いくら本国の人でも、民族文化に触れる機会が少ないと、そうなるものなのかもしれないと思ったものだ。

 その点、在日同胞は歴史的な背景からして、それらを大切に思う気持ちが強いのだろう。形を整えて中身を育てる―。これが在日同胞の民族心の育て方のように思う。

 最近、チビッコたちに人気のピビンバレンジャーも然り。5人の決めゼリフには、民族の「味」がつまっている。千葉初中創立60周年記念イベントでは、「1世たちの燃える心。カプサイシンパーンチ!」「試練を乗り越えて学校を守ってきたアボジ、オモニの熱い心。鉄分ボンバー!」「学校を支援しあたたかく見守ってくれる日本のみなさんの友情と連帯。ムウタリキック!」などの必殺技が決められた。

 見て、聞いて、触れて、嗅いで、味わって。五感をフルに活用して子どもたちの民族心を育てていきたい。(潤)

[朝鮮新報 2007.9.1]