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おもちゃ美術館−遊びを通して人間性を育てる

 東京・中野の「おもちゃ美術館」は、遊びを通して人間性豊かな子どもを育てることを目的にしたユニークな「教育施設」だ。「世界のおもちゃと友だちになろう」のスローガンのもと、1984年に開館された。同美術館には、常設展示とテーマ展示、手作りおもちゃ教室など、「みる・作る・かりて遊ぶ」の3つの機能が備えられている。

 「世界のおもちゃ展示室」には各国のいろんなおもちゃが展示。赤ちゃんがはじめて持つおもちゃに「ガラガラ」があるが、国や地域によって素材や形はさまざまだ。中国のデンデン太鼓は色とりどりの紙で作られており、台湾は動物の皮、インドは紐を組んで作っている。また、スウェーデンは木で、フィンランドは鈴が入った円柱型である。スウェーデンのおもちゃは、そのほとんどが白木でできており、教育玩具から家族で楽しむゲーム類まで、あらゆるジャンルのおもちゃが、子どもの体や頭の動きを促し、みんなで楽しむために多くの専門家の力で作りあげられている。また、スウェーデンは1979年に戦争おもちゃ追放宣言をした国である。ピストル、戦車といったあらゆる戦争おもちゃが子どもたちに悪い影響を与えるということで、いっさい姿を消してしまった。ロシアのおもちゃは、日本では伝承玩具がどんどんお土産としての価値しかなくなっていくのとは対照的に、子どもたちの文化としての玩具の立場を守りつづけている。朝鮮半島のおもちゃは、タル(化面)チャンスン、ユンノリ(すごろく)など土俗的な玩具が紹介されていた。

 コンピュータゲームに向き合う現代っ子たちに、頭と体を使い、会話をしながらコミュニケーション能力を高めていく、温かみのあるおもちゃを与えてあげたい。(潤)

[朝鮮新報 2007.6.23]