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「丹青5号」−気迫あふれる研鑽の日々

 老学者たちで創る同人誌「丹青」が創刊されて6年、このほど5号目が刊行された。大学を定年後のセカンドステージに、さらなる豊かな彩りをもたらすべく、研鑽を重ねた日々であった。

 さる12日夜、東京都立川市内の居酒屋でそのお祝いの会が開かれ、会員、知人ら26人がかけつけた。世話人は金属工学が専攻の康忠煕・朝鮮大学校理・工学部元教授(74)。個性に富む多士済済たちを温かく包んできた。祝いの席では、康さんへの感謝のスピーチが相次いだ。

 また、編集を担当したのは成耆珍さん。これまで掲載された論考は46編にのぼる。パソコンやスキャナーも購入し、自前での本作りだったが、今ではすっかりベテランの風格。「熱心な読者を得て、これほどの執筆者、編集者冥利はない」と述べ、「命ある限り自己実現めざしてがんばろう」と気勢を上げていた。

 6年の間に、開かれた勉強会は23回。自治体の会館を利用したりして、節約に努めた。勉強会に数時間熱中した後は、駅前の居酒屋で一杯、そして喧々諤々の論争がまた楽しみ。その談義につきものが、紹興酒や焼酎、マッコルリ、日本酒など…。メンバーたちの旺盛な研究欲を支えてきたのは、「酒」や「歌」だったのかもしれない。

 この会には世界的な応用数理学者の韓太舜・早稲田大学大学院客員教授や歴史学者の姜徳相・滋賀県立大名誉教授らの姿もあった。韓教授は「かけがえのない人生を最後まで気概を持って過ごそうとする姿勢は若い人々の共感を呼ぶだろう」と称えていた。

 康さんが「忙しくてボケるひまがない」と締めくくると、会場には爆笑の渦が広がった。(粉)

[朝鮮新報 2007.5.19]