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春・夏・秋・冬

 「ディア・ミスター・チェアマン(拝啓、委員長殿)」−訪朝したヒル国務次官補によって届けられた、金正日総書記あてのブッシュ大統領親書(1日付)の書き出しである。大統領報道官によると、ブッシュ大統領は自ら手書きで親書に署名したともいう

▼「悪の枢軸」だとか「暴君」だとか、およそ一国の指導者としての品位の欠片すらも感じ取れない暴言の数々、嫌悪感と憎悪心の塊のようだと指摘された。その大統領が親書とは、本人ならずとも驚いた人は多かったに違いない

▼ところが、政治の世界には明らかにされない秘密の部分がつきものである。朝米問題をウォッチしているある記者は「今年1月のベルリン会談開催の端緒となったのは、総書記が昨秋、大統領に伝えた口頭メッセージだったと聞いている」という。さらには、それを機に北京の朝米大使館を双方関係者がこっそりと行き来し、ベルリンでの会談にこぎつけたと解説する

▼その真偽は知る由もないが、今から考えればBDA問題を巡り歩み寄りなど困難ではないかと見られていた時期に、今日の状況を生み出す転機となったベルリン会談がどういう経緯で開かれたのか、不思議ではある。そういえば北南首脳対面・会談もしかりだ。盧政権末期の開催など、接触のあるウォッチャーの誰一人、想定していなかった

▼ワシントンに戻ったヒル国務次官補は親書の内容について、9.19共同声明、つまり朝鮮半島非核化実現と朝米国交樹立の意思を表明したものだと語った。年末から年初、そして春先が転換点になるのだろうか。(哲)

[朝鮮新報 2007.12.10]