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ヒル米国務次官補が3日から5日まで訪朝した。滞在中、6者会談朝鮮側団長の金桂官外務次官、李根米州局長ら対話のパートナーのほか、朴宜春外相、最高人民会議常任委員会の楊亨燮副委員長らと会見した ▼ヒル国務次官補の訪朝は6月に次いで2度目のことだが、その時は朴外相らとの会見は設定されなかった。当時は、米国によって凍結された「バンコ・デルタ・アジア」(BDA)の朝鮮口座問題の最終段階で、経済制裁を行ったブッシュ政権がどういう解決案を持って来たのか、朝鮮側にしてみれば「客」ではなかった ▼ところが今回は、次官補という2ランクも下の、それも複数の人間がいる職責の外交官と一国の外相が会った。さらには「国家元首」の金永南常任委員長に次ぐ楊副委員長も会見した。外交慣例では異例だと思っていたら、総書記にあてたブッシュ大統領の親書を伝達していた。6者会談、朝米関係の現状を把握するうえで重要な出来事である ▼ヒル訪朝に関する日本の報道は核プログラム申告の内容について双方に認識、意見の差があるという点に集中し、朝鮮側がまたも10.3合意の履行を遅らせているかのような印象を植え付けている ▼6者会談合意の原則は「行動対行動」である。朝鮮側の合意履行の現状を伝えるのなら、同じく米国側の義務である「テロ支援国家」指定解除、「敵性国通商法」適用終了作業の現状がどうなっているのかをも伝えるべきだろう。それが「公正さ」を標榜する言論の役割だ。ところがさっぱり伝わってこない。言論操作なのか。(彦) [朝鮮新報 2007.12.7] |