top_rogo.gif (16396 bytes)

春・夏・秋・冬

 注目された福田首相の訪米。首相として初の米日首脳会談に臨んだが、ブッシュ大統領との会談は短く終わった。その点と、空港にライス国務長官ら米政府要人の出迎えが少なかった事実などを指摘して「招かれざる客」だったのではないかと酷評するメディアもあった

▼常識的に考えれば、防衛省前次官や前大臣らが絡んだ業者とのスキャンダル、テロ特措法に代わる新法の国会審議など、政権の根幹に関わる重大事が山積しているだけに外遊をしている場合ではないと論評されるのは当然かもしれない

▼その福田首相、米日首脳会談直後に米CNNテレビとインタビューを行い、「核を持つ限り自立は困難」だとか「消滅する」とか朝鮮に対して悪態をついた。対話を通じて朝・日関係の打開をはかると語った当の本人が、対話の相手側を公然とひぼう、中傷するとは、いったい思考回路はどうなっているのかと首をかしげてしまう

▼拉致問題を騒ぎすぎたあげく、その拉致問題に足をとられて動けなくなっている政権、そして日本社会の現状、さらには政権の座について以降、追及が手ぬるいと非難する勢力の存在を考慮すると、それらに気兼ねしての発言なのかなとも思う。それにしても認識が脆弱すぎる。今回の発言だけを見ると、前首相と何ら変わらない

▼「核発言」をした時、6者会談の進行状況について思いをはせるゆとりはなかったのか。問われているのは朝鮮ではない、日本である。そうした事実を単刀直入に口にし現状を打開する勇気を持たないと、会談は進展しないし信用も得られない。(彦)

[朝鮮新報 2007.11.22]