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春・夏・秋・冬

 この間、福田首相の口から朝・日国交正常化に「尽力する」との意欲的な発言が相次いでいる

▼首相は、繰り返し指摘されてきたように官房長官時代の2002年9月、小泉第1次訪朝を田中均アジア局長−平松北東アジア課長のラインで実現させた人物である。訪朝を成功させるために交渉の経緯など徹底した秘密を指示し、拉致問題を極大化させて首相の座に上り詰めた安倍官房副長官(当時)をそのいっさいの情報から排除したという

▼国交正常化するための拉致問題解決だったのか、逆にそれを棚上げにする材料にするためだったのか−「拉致、核、ミサイルの全体を解決したい」という福田首相の発言からは前者の色合いが濃い

▼福田発言に朝鮮側も敏感に反応している。宋日昊朝・日国交正常化交渉担当大使は訪朝した共同通信社代表団との会見で「圧力より対話を重視する姿勢を明確にしている。われわれは注目に値すると思っている。相手が対話をしようとしているのに、われわれはこれを避けるつもりはない」と語った。拉致問題についても「隔たりがあることはウランバートルでの作業部会でも確認された。見解と立場の違いを埋めるための協議が必要と思う」と指摘した

▼対朝鮮独自制裁の6カ月延長について町村官房長官は「拉致問題に具体的な進展がない」ことを根拠に上げた。が「日朝平壌宣言に則り『不幸な過去』を清算し、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を解決して早期国交正常化をする基本方針に変わりはない」とも強調した。矛盾した発言。苦しみの表れか。(彦)

[朝鮮新報 2007.10.19]