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春・夏・秋・冬

 「美しい国」作りやら「主張する外交」やら、さらには「テロとのたたかい」など、美辞麗句で塗り固められた公約がみな、吹っ飛んでしまった。それも「自爆」によってである。こんな人物が一国の首相=最高権力者であったことに世論は嘆き、憤りを隠さないが自業自得、その怒りは自らにも向けられるべきだろう

▼2002年11月、1回目の朝・日首脳会談後、財界人らの前でこの人物は「拉致問題を認めたことによって北朝鮮の体制はひどく動揺している。追撃戦も考慮すべきだ」などと、「崩壊」を前提に「朝鮮総連も非常に動揺している。この機会に総連内部を調べなければならない。公安調査庁に調査を命じた」と公言した。調査の目的が弾圧、瓦解、解体にあったことはいうまでもない

▼そして、副官房長官から自民党幹事長、官房長官を経て首相の座に上り詰め、子飼いたちに指示して本格的な総連、在日朝鮮人に対する政治弾圧に着手した。「事件化」方針である(漆間前警察庁長官)。朝鮮学校、商工会、県本部事務所、個人の住宅、そして本紙編集局のある朝鮮出版会館等など、かつて強権を傘にきたGHQによる50年代のそれを彷彿させるものだった

▼現在、朝鮮国籍所有者の入国、朝鮮産品の輸入、船舶の入港はまったくない。日本政府が独自制裁を実施し遮断しているからだ

▼「美しい国」作りやら「主張する外交」が吹き飛んでもどうもないが、拉致問題を煽るだけ煽り、あらぬ嫌疑をかけて事件化し朝鮮民族排他、差別を助長した責任は取ってもらわねばならない。(彦)

[朝鮮新報 2007.9.15]