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春・夏・秋・冬

 ブッシュ大統領が22日、ミズーリ州カンザスシティーの退役軍人の会合で行った、米国のイラク政策を正当化した内容の演説が物議を醸している。報じられている内容を要約すると、戦前の日本などをアルカイダになぞらえ「米国の勝利によって初めて日本が民主化」し、だから「アルカイダも大日本帝国などと同じ運命をたどる」「我々はイラクとアフガニスタンの過激主義者を打ち負かすだろう」と語ったという

▼米メディアは「日本はイラクと違う」「歴史から間違った教訓を引き出している」などと指摘し、日本のマスコミも「粗雑な歴史観を露呈」「日本を含めた諸外国の歴史や文化への無理解をさらした」(朝日新聞24日付)と批判している

▼ブッシュ大統領の歴史観や世界観が、日常的に核ボタンを抱えた超大国のトップとしては余りにもお粗末であることは、たびたび指摘されてきた。朝鮮を批判し「悪の枢軸」とまで暴言を吐きながら、朝鮮半島、いや平壌がどこに存在するのか、頭の中にはないだろうとさえ揶揄的に語られてもきた

▼しかし、と思う。かつての植民地支配を合法だと主張し、「従軍慰安婦」問題に政府、軍は関わってこなかった、さらには自らの意思で、進んで「募集に応じた」云々と、歴史的事実をねじ曲げ、虚偽の歴史をねつ造しようとする日本政府当局者のその認識とどう違うのだろうか。無知とねつ造。質の悪さはいうまでもなく後者である

▼ブッシュ政権が起こした米国の戦争に日本は加担もしている。この「ねじれ」。どう対応しようとするのか、見ものだ。(彦)

[朝鮮新報 2007.8.27]