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春・夏・秋・冬

 マニラで開かれていた東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)が2日、終了した。発表された議長声明は、朝鮮半島非核化が「アジア太平洋地域の平和・安定の維持に不可欠」だと指摘し「対話と交渉による平和的な解決」に支持を表明した。いうまでもなく、6者会談への支持表明である

▼また6者会談と関連し、朝鮮政府の「2.13合意」を遵守した誠実な取り組みを評価。さらに、参加国に対して「国際社会が人道的に憂慮する問題に対処することの重要性を強調」した

▼この項目について、「拉致問題を間接表現で盛り込んだ」(毎日新聞)という解釈が盛んに行われているが、我田引水、独善的かつ恣意的な理解である。まずは、どこにも拉致問題云々という表現は見られない。つぎに「国際社会が人道的に憂慮」している問題としてわれわれの頭に浮かぶのは、先の米議会下院での、日本首相による公式謝罪、そして人道犯罪として直視することなどを求めた「慰安婦」決議である

▼安倍政権は昨年秋の発足後、各国との対話、接触において何を差し置いても拉致問題に言及することを方針としてきた。拉致問題に言及した事実を受けて随行記者たちが記事にし、新聞、テレビに反映されるというカラクリである。そのことによって、世界中が拉致問題に関心を持っているという構図を作り上げ、世論を誤り導いてきた

▼ところが今回の議長声明、一言半句もない。これが安倍政治の姿。逆に、朝鮮半島非核化プロセスに特段の意義付与をした。問われているのは日本の行動である。(彦)

[朝鮮新報 2007.8.6]