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春・夏・秋・冬

 参議院選挙の結果は、単に日本の与野党の力関係、勢力図がどうなるのかという次元に止まる問題ではない

▼安倍政権が継続するのかどうかは「拉致問題の完全解決=全員の生存帰国」という前提を掲げて、事実上、対話を遮断してきた事態が今後も続くのかどうか、ひいては6者会談そのものが存続しえるのかどうか、その前途を推し量るうえで重要な意味を持っている、というのは多くの人たちが一致して指摘していることである

▼先日、発表された朝鮮外務省備忘録は「日本は6者会談まで『拉致問題』の『人質』にしようとあがいている」と強調し、「日本の企図が許されるのなら、朝鮮半島の核問題は『死んだ人を生き返らせなければならない拉致問題』のように、永遠に不可能になる」と警告した。この指摘するところが何なのか、安倍首相とその仲間、そして日本外務省は深く、真摯に吟味する必要があるだろう

▼1期目に一気にブレーキがかかり、敵視の度合いを強めたブッシュ政権の対朝鮮政策。ところが2期目に入り今日に至っては、当時と様相をまったく異にしている。クリントン政権時代、駐南朝鮮の米国光州文化院長を務めたイェーツ氏は「米国の外交政策が誤った情報とほかの人の感覚を根拠に策定される」ことを避けるために、平壌に早く米代表部を設置すべきだと強調した。当然の感覚だと思う

▼虚偽、さらに独断と偏見によって一国の外交政策が策定されることほど不幸なことはない。それを政権維持、延命の道具にしようとは、それはもう、政治というものとは程遠い。(哲)

[朝鮮新報 2007.7.30]