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春・夏・秋・冬

 従来、東京から新潟、そして「万景峰92」号で元山、平壌というのが一般的な祖国への道のりだった。それが今回は東京から北京を経て平壌となった。海路、空路という選択肢はなく、後者が唯一与えられた手段。言うまでもなく、安倍政権による不当かつ非人道的な制裁の結果である

▼成田空港を出る際、税関職員に制止されて「北朝鮮への渡航を自粛するよう」書かれた印刷物を見るよう求められ、さらには一般の人たちとは別の出口を通って搭乗ゲートに向かうよう指示された。差別以外の何ものでもない。こうした行為を一年にも渡って平然と強要し続ける安倍政権の、人を人と思わない対応に怒りを新たにした

▼ここ祖国にやってきて、会う人々にまず決まって質問されるのが安倍政権による総聯、在日朝鮮人に対する常識を逸した政治弾圧の様相についてである

▼ある機関の責任者は「どういう人間であれ、度合いの違いはあっても理性というものを備えているはずだと思ってきた。しかし、安倍という人間は違うようだ。そのカケラも見られない。そうした人間が政権の座にあったとして、ながらえた例は歴史にはない」と指摘しながら、「6者会談の進展など情勢の変化を読み取れず孤立を深める中での最後の悪あがきだ」と語った。在日同胞に対する激励の意味を込めた分析だった

▼久しぶりの平壌。通りを行き交う市民たちの表情は格段に明るくなり会話が飛び交う。そして朝夕の通勤、帰宅ラッシュ、街全体も活気に満ちている。今は厳しくとも、希望を捨ててはならないと思った。(彦)

[朝鮮新報 2007.7.11]