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安倍首相は、錯乱状態に陥っているのではないかと思った。6月27日、ラジオ番組に出演し「日本が外れた6カ国協議はありえない。(北朝鮮は)いろいろな策謀をめぐらして日米、日中の分断を図っているが、彼らの策謀にはまってはいけない」と「意味不明」の発言をしたのだ ▼何のことかと思ったら、6者会談米国代表団長のヒル国務次官補が、朝鮮戦争停戦協定に代わる朝鮮半島の恒久的平和体制を協議する北南朝鮮、米、中会合開催構想を明らかにしたことへの反応だった。ヒル次官補の構想を「北朝鮮の策謀」だとは、安倍首相の理解力、判断力は皆無。とても一国の首相の座にいる人間の発言とは思えない ▼そういえば、ヒル次官補の「電撃訪朝」についての米政府・ライス国務長官の日本政府への通報は前日に電話による通告のみだったという。「米日同盟国」、にもかかわらず事前協議がなかったというのだ ▼このことを報じた米ニューヨーク・タイムズは「ヒル次官補の訪朝は非常に秘密裏」に行われ、「ヒル次官補は20日の訪日時にも訪朝計画を日本政府高官に知らせていなかった」と伝えた(6月21日付)。事実なら異常事態である。安倍首相が錯乱するのも無理からぬ話か ▼朝鮮半島非核化のプロセスは、停戦協定の平和協定転換という作業を伴う。その非核化が実現し平和体制が築かれた場合、「北朝鮮の脅威」を叫んで実行してきた「戦う日本作り」のプロセスは地域の最大の脅威になる。矛先が日本に向くのは当然だ。安倍首相の錯乱は、そのことをも察知してのことなのか。(彦) [朝鮮新報 2007.6.29] |