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春・夏・秋・冬

 安倍政権下で本格化している「集団的自衛権容認」=戦争をするための法的基盤構築の動きは、いうまでもなく「朝鮮の脅威」を口実にしたものである。小泉前首相が二度にわたって訪朝し、国交樹立に向けた朝・日平壌宣言が発表されたことなど、どこ吹く風である

▼朝鮮半島の非核化実現のための6者会談では今年に入って「2.13合意」が行われ、朝鮮側が再三強調しているようにBDA問題の解決次第、実行に移されていくことになる。安倍政権の「戦争のできる日本」作りは、6者会談ともまったく相容れない

▼2月、アーミテージ米元国務副長官やハーバード大学のジョセフ・ナイ教授らが作成した「第二次アーミテージ・レポート」が発表された。米国の今後の対アジア、対日政策を論じた同レポートは「日本の利益」について「日本単独の利益」はありえず、「米日共同の利益」でなければならないことを一貫して強調した

▼言い換えれば、日本が米国と離れて一人歩きしようとしているのではないかとの疑念を根底に、そうした行動を日本が取ることに釘をさしているのだ。また6者会談についても「核不拡散」の役割を果たせば十分であるとの認識を示している

▼「日本単独の利益」を追求し「核の一方的な完全廃棄」を主張する日本と米国との間に溝が生じていることがわかる。「戦争のできる日本」作りによって「日本の利益」を追求しようとする安倍政権。侵略の過去の清算もしようとしない。そうした独善的な思考と行動が東アジアはもとより国際社会に受け入れられるはずもない。(彦)

[朝鮮新報 2007.6.15]