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4月のビル・リチャードソン米ニューメキシコ州知事の訪朝に同行、最近まで米国家安全保障会議(NSC)の日本・朝鮮部長職にあったビクター・チャー・ジョージタウン大学教授が南朝鮮のマスコミなどを相手にして口を開き始めた。いうまでもなく、6者会談米国代表団次席代表も兼ねていた人物だ ▼焦点のバンコ・デルタ・アジア(BDA)資金問題について同氏は、「米財務省がBDA凍結資金を解除したのは、ブッシュ大統領の政治的決断だった」と述べ、技術的な問題が解決されなかった場合でも朝鮮に対して「政治的決断」を下すよう求めた。法外な主張だといわざるをえない ▼そもそもBDA問題が生じたのはブッシュ政権による不当、不法な経済制裁が原因だった。今はその不当、不法性を自ら認めてブッシュ大統領が今一度の「政治的決断」をすることが、「2.13合意」履行のための先決条件となる ▼では、BDA問題が解決しなかった場合、ブッシュ大統領はどういう選択肢を選ぶのか。「ハドレー大統領補佐官(国家安全保障担当)、ライス国務長官、ヒル国務次官補の3人が『米国のできることはすべてやった』と言うまで待つ」というのだ。「忍耐強く見守る」ほかはないということらしい ▼まずはイラク、次にイラン、そして朝鮮、というブッシュ政権の外交政策の優先順位を考えると、妥当な対応か。言い換えれば「2.13合意」以外にブッシュ政権に選択肢はないということになる。この現実、2世議員・取り巻きの集まりの安倍政権には理解はできていないだろう。(彦) [朝鮮新報 2007.6.6] |