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法で禁止されている行為を、法の網に引っかからないよう抜け道を探し出せということなのか−安倍首相肝入りの、集団的自衛権に関する憲法解釈変更を検討するための有識者会議「安全保障の法的基盤構築に関する懇談会」の事である ▼18日には首相自ら会議に参加し、集団的自衛権の行使について具体的に「米国を狙った弾道ミサイルを日本のミサイルで撃墜する」ことを含む4通りのケースを示し検討を指示した ▼いうまでもなく、現在の憲法解釈では集団的自衛権の行使はできない。だから、有識者会議の設置は「平和憲法」を有名無実化し、戦争をする国、戦争をするために海外に派兵していける道を切り開け、といっているようなものだ ▼さらに見過ごせないのは「北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射実験などで、日本の安全保障をめぐる環境が悪化している」と指摘し、「日米同盟がより効果的に機能していくようにすることが重要だ」と、集団的自衛権行使検討の理由付けをしていることだ。これまで朝・日平壌宣言は有効だと言っておきながらのこの所作、二枚舌、三枚舌である。首相自ら規則破りを検討しろというのだから、これでは日本の社会が無道徳、民主主義とはほど遠い内情になっていくのもわかる。政治が政治になっていないのだから ▼それにしても、朝鮮を名指しにしての憲法解釈の変更検討指示。6者会談の進展とは別に、日本のこうした現実的な脅威に朝鮮は対抗措置を取っていかざるをえなくなる。世論、そして米国はこうした安倍政権の暴走を食い止められるのか。(彦) [朝鮮新報 2007.521] |