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春・夏・秋・冬

 同盟国日本の存在を無視するかのように、ブッシュ政権が対朝鮮政策において核先制攻撃ドクトリンを基調とする対決政策から関与政策へと転換したことについて「真珠湾攻撃の報復だ」とばかりに大騒ぎした国際政治が専門の「学者先生」がいたという。6者会談「2.13合意」はそれほど衝撃的だったのだろう。合わせて、事態の深刻さも理解せず相も変わらず拉致問題だけにしがみつく安倍政権に対して「6者会談で孤立する」と警告したそうだ

▼ブッシュ政権は、皮肉にも自ら蒔いた種によって泥沼化し足を取られている最大懸案、イラク問題の解決に向けても大きな外交的転換をはかろうとしている。1979年の「ホメイニ革命」後、国交を断絶し、現在もなお核問題を巡って先鋭に対立しているイランとの直接対話に乗り出したのである

▼イラン外務省報道官が13日の記者会見で明らかにしたところによると「公式のチャンネルを通じ、米国から要請を受けた」。議題はイランと同じシーア派である「マリキ政権を支援しイラクの治安を強化するため」と説明した

▼1年前まで、ブッシュ政権は「朝鮮、イランなどは悪の枢軸を形成している」と、軍事攻撃も辞さない強硬姿勢を取ってきていただけに、変われば変わるものだ。イラクの現状がブッシュ政権の命脈を保つのか絶つのか、ギリギリのところまで追い詰められていることの証左でもあろう

▼ところで「窮鼠猫を噛む」という。安倍政権は6者会談で「窮鼠」になりつつあるが、この「窮鼠」、はたして何を噛むのだろうか。(哲)

[朝鮮新報 2007.5.16]