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朝鮮半島非核化に向けた「2.13共同文書」の履行に新たな動きが見られた ▼朝鮮原子力総局のリ・ジェソン総局長は17日、国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長に書簡を送り、マカオの「バンコ・デルタ・アジア」(BDA)の凍結資金解除が確認され次第、IAEA代表団を招請し「2.13共同文書」に基づく「寧辺核施設の稼動中止とその検証監視手続き問題を討議する準備ができている」と明らかにした。朝鮮の意志の固さが読み取れる ▼一方、これに先立ち米国務省のマコーマック報道官は19日、朝鮮側のBDA凍結資金回収、そして初期段階行動措置履行について「期限を設けず出方を見守る」と言明した。両者の動きはまさに「あうんの呼吸」。「2.13共同文書」を履行していくという点において歩調が合い、意思疎通ができていることを示すものだろう ▼こうした状況下で、安倍首相は26日から首相就任後、初めて訪米する。6者会談、そして「従軍慰安婦」問題と難題が山積みした中での「宗主国」行脚だ ▼訪米中にBDA問題に決着がつき、朝鮮側が初期段階行動に踏み出したとするなら、「拉致問題」を口実にして見返り行動への参加を拒否している安倍首相はさらに困難な立場に追い込まれることになる。だからなのか、「従軍慰安婦」問題だけでも避けて通れるようにと、この時期に来て米国に向けての「釈明」に躍起だ。「火に油を注ぐ」と自民党議員団の訪米も中止させた。それもこれも自らが蒔いた種、さてどういう心中での訪米になるのか。見物だ。(哲) [朝鮮新報 2007.4.23] |