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春・夏・秋・冬

 桜前線が東北地方にかかりかけている。一年に一度、待ち焦がれる季節である。四月の平壌も、朝夕はまだ寒さが残るものの、長く厳しい冬を越して木立がいっせいに芽吹き、花を咲かせる。梅、レンギョウ、柳、山桜など中旬を過ぎれば百花繚乱という表現がピタリとくる。自然界は永々と変わらぬ営みを繰り返し、それぞれの季節ごとに安堵感を与えてくれる

▼自然界にはむろん国境などというものは存在しない。例え人間が作ったところで、そんなものはいとも簡単に乗り越えてしまう

▼日本政府は「独自の朝鮮制裁」の半年延長を決めた。「万景峰92」号をはじめ朝鮮産産品など、人的、物的往来のすべてを遮断している。自然界ではないが、人も物も国境を越えて往来しているこの時代に力によってそれを止めようとは、錯誤である。「北朝鮮アサリ」とか「中国産アサリ」とか、さらには「韓国産アサリ」とか、国境を持たない生き物も規制しようとする始末。しかもそれを政治と思っているのだから、勘違いも甚だしい。だからなのか、核問題討議の場に拉致問題を持ち出すという、これまた外交にもならない所業をいとわない

▼先月初めから米政府関係者や大統領特使格の人物たちの訪日が相次いだ。そこで彼らが安倍政権に求めたのは拉致問題解決の「定義の明確化」だった。何をどうして、どこにまで至れば「解決」とするのか、ということだったという

▼つまりは、6者会談は核問題討議の場であるということを認識しろということなのだろう。錯誤の外交を続けていれば除け者にされる。(哲)

[朝鮮新報 2007.4.11]