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春・夏・秋・冬

 日本帝国主義の不法な朝鮮植民地支配に反対、独立のために各階層民衆が立ち上がった1919年の「3.1人民蜂起」の際、京畿道華城堤岩里の住民が日本軍によって集団虐殺された事件は広く知られている。同事件を軍首脳部が徹底的に隠ぺいしようとした事実が、当時の司令官だった宇都宮太郎大将の日記によって確認された

▼日記には「堤岩里で日本軍が約30余の住民を教会に閉じ込めて虐殺、放火した」「事実を事実として処分すれば簡単だが、虐殺、放火を自認することになり、帝国(日本)の立場は甚だしく不利益になる」と書かれているという(朝日新聞2月28日付)。そして軍幹部との協議の結論として「(日本軍の)虐殺、放火などは認めないことに決め」た

▼蛮行を働いた、それも武装し強大な権力を持つ当事者が黙認してしまえば事実が世に明るみに出るまでに時間がかかるのは当たり前であり、その過程で改ざんでもされてしまえば真相は闇に葬りさられかねない

▼この日記に見るまでもなく、日本の朝鮮植民地支配時代の忌まわしい犯罪の数々、そのうちどれほどが事実そのままに告発されたのだろうかと思う。「従軍慰安婦」問題のように、当事者が事実を認めようとしなければ、第三者が暴き責任追及しようとするのも道理である

▼にもかかわらず安倍首相は「強制性を裏付ける証言はなかった」と、「河野官房長官談話」(93年)を否定する発言をしてはばからない。被害者たちの、「私が証拠」との発言の裏付け作業をするのは日本の責務である。徹底してやるべきである。(彦)

[朝鮮新報 2007.3.5]