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「関与」であれ「圧力」であれ、最後には自国式民主主義による「レジーム・チェンジ」が米国外交の最大の目的であることは論を待たない。他国を従属、征服しようとする帝国主義の本質でもある。近年、その米国が正確な情報に事欠き分析を誤って躓いた例として挙げられているのが2002年、南朝鮮・盧政権の誕生である ▼米軍装甲車による少女轢殺事件によって反米感情が一気に噴出し、米国が予想だにしなかった人物が当選してしまった(日本も最後の最後まで李会昌の勝利を信じて疑わなかった)。しかし、ブッシュ政権には盧大統領個人を知る人間は国務省にもソウルの大使館にも誰一人いなかったという ▼その二の舞いを繰り返さないとばかりに昨年末来、今年12月の大統領選挙を見据えた共和党・ブッシュ政権側と民主党有力者の南朝鮮訪問、候補者詣でが相次いでいる。ブッシュ政権は南朝鮮大使を勤めるパーシュボウを中心に、6者会談接触を表向き口実にしたヒル国務次官補を送り込みハンナラ党の李明博、朴槿恵、孫鶴圭、与党陣営の鄭東泳、金槿泰らと公式、非公式に面談を繰り返していると南朝鮮各紙は伝えている ▼一方の民主党もペリー元国防長官がソウル入りし、共和党同様、有力候補者らと会い大統領選挙の現況把握に必死のようだ ▼こうした動き、ただ単なる選挙事情の把握に止まらないことは明らか。今回の6者会談後、さらに厳しい対応が迫られる米政権だけに、誰が自分たちの眼鏡に適うのかを「決める」選別作業なら、選挙介入のそしりは免れない。(彦) [朝鮮新報 2007.2.19] |