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春・夏・秋・冬

 8日から北京で再開されていた6者会談、「9.19共同声明」(2005年)履行に向け一歩を踏み出した。米国の対朝鮮敵視政策放棄、そして行動対行動原則に基づかなければ核問題解決はないと一貫して主張してきた朝鮮の立場が合意文の柱として盛り込まれた

▼とりわけ敵視政策の象徴だった「テロ支援国家指定」解除、「対敵国通商法」適用の終了作業に取り掛かることをブッシュ政権は約束した。言葉だけに終わらず実際に実施されていくなら、朝米国交正常化の道筋を切り開いていくものだけに期待はふくらんでいく。核実験を口実にした国連制裁の解除も時間の問題となる

▼政治交渉に勝った、負けたはないというのが筆者の持論だ。今回もプロセスが始まったにすぎない。それにしても北京現地からは「朝鮮の一人勝ち」という声が伝わってくるし、識者たちの間でも「(6者会談の場は)集団的圧力ではなく、集団的支援の場に変わってしまった」という指摘が出る始末だ

▼さて、今回の結果を受けて動揺を隠せないという安倍政権。ブッシュ政権の圧力政策を頼みに拉致一辺倒で騒ぎ、人道の船「万景峰92」号を入港禁止にし、在日朝鮮人差別の弾圧を繰り広げ、果てには朝鮮学校を土足で踏みにじる非道、暴挙まで働いた。ところがブッシュ政権の敵視放棄への意思表示。「梯子を外された」と悲鳴に似た声が響き渡る

▼安倍首相らの口からはまだ威勢の良い発言が相次いでいるが、「安倍外交は孤立感を深めることになる」(加藤自民党元幹事長)という指摘がもう一つの流れを作りつつある。(彦)

[朝鮮新報 2007.2.15]