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とうとうブッシュ政権は対朝鮮政策を変更せざるをえなくなったのか−。23日の一般教書演説、朝鮮関連はわずか「核兵器のない朝鮮半島を実現するために中国、日本、ロシア、韓国のパートナーとともに集中的な外交を展開している」と言及するに止まった。5年前の「イラン、イラク、北朝鮮は悪の枢軸」と比較すると大幅な後退 ▼ベルリン、北京を舞台に朝米核問題、6者会談再開協議が活発化し、かつ会談筋からは前向きな話が次々に伝えられている。一人蚊帳の外は日本だ ▼麻生外相は先日、長時間の話し合いが三日間、続けられたベルリン会談について「6者会談は例え再開されても予断は許さない」という表現で朝鮮側を中傷した。しかし中傷する相手を間違っている。現状そのまま「日本は何も関与できない」と自身に向けるべきだった ▼6者会談の今後について、ジャーナリストの野田峯雄氏は「北朝鮮人道支援の会ニューズレター」(No.45)で、「ブッシュ(政権の対朝鮮政策)転換の流れが明確になったら、安倍政権はいまのままだと虚脱状態に陥る」と診断し、さらに最大限利用してきた「拉致と北朝鮮」の「北朝鮮というハシゴを外されれば確実に立ち往生する」と分析している ▼事実、6者会談再開協議と関連した官邸と麻生外相の焦りは半端ではないという。米国から伝えられ、独自に入手した情報が正確なものなのか、実は日本の知らないところで事が進んでいるのではないかという疑心暗鬼。それもこれも、「拉致と北朝鮮」で政権を取ったのだから、自業自得か。(彦) [朝鮮新報 2007.1.26] |