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春・夏・秋・冬

 昨秋の安倍訪中後、小泉前首相の靖国神社参拝によって最悪の状況にあった中日関係は修復され、現状は良好だというのがマスコミなどの評である。そうした認識の反映なのか、政府・与党関係者の訪中ラッシュが続き、中国指導者たちの訪日も取り沙汰されている

▼しかしそれとは裏腹に、中国の新聞論調などに目を通していると、日本への警戒心は依然、根強く、とくに安倍政権の軍事大国化=戦争する国造り路線に強い危惧を抱いていることがわかる

▼年初からの防衛省発足、安倍首相の北大西洋条約機構(NATO)本部訪問、自衛隊海外派遣時の武器使用制限の緩和検討、日本版国家安全保障会議創設など一連の措置に対する視点は厳しい

▼なかでも目を引いたのが人民日報電子版(18日付)に掲載された「日本の軍事力と『大国の夢』」と題する、社会科学院日本研究員の論文。日本は「『中国の台頭』への対応を、21世紀初めの対外関係における最重要課題として位置づけ」し「軍事力を、国際交渉における直接的手段、大国戦略を推進する効果的な資本とすることを狙っている」と警鐘を鳴らす。そして「『中国抑え込み』戦略に執着」し、「日米は最近の合同軍事演習において、すでに中国を直接の標的」としていると、冷静に分析

▼結論的に「『政治大国化』という目標の追求において、戦後世代の新しい政治家は、過去の日本の指導者よりも執着的な政治意欲」を示し、そのために日本の「対中政策は二面性を呈して」いると見抜いている。日本の動向は今や、東アジアの不安要素なのだ。(彦)

[朝鮮新報 2007.1.22]