top_rogo.gif (16396 bytes)

枝川のカラス −鄭一根−

 踏まれ、踏みつけられ
 ゴミ埋立地のどん底にまで追いやられた
 朝鮮学校 朝鮮語
 60年、鼻をつく悪臭のなかで
 木は育ち森となったのに
 骨と血が腐っていく廃水のうえで
 芳しい母国語の花を咲かせたのに
 今になって出て行けと
 俺達がここで暮らすのだと
 糞にまみれながら暮らすのだと
 大きな翼ひろげて宙を飛び
 カァカァ カァカァ 大声で鳴く
 枝川の肥ったカラスども
 そのカラスにおどろいて
 腰をかがめるな 朝鮮学校よ!
 声を小さくするな 朝鮮語よ!
 祖国がここにあるのだ
 民族がここにあるのだ
 枝川の黒いカラスどもに
 今一度こぶしを強く握りしめる

 オンラインニュース「プレシアン」

 07年8月10日

 チョン・イルグン

 1958年慶尚南道梁山生まれ。慶南大国語教育学科卒。84年「月刊文学」「実践文学」、85年「韓国日報」新春文芸に登壇。詩集に「海が見える教室」「だれも終止符を打てない」など。詩と詩学新人賞、素月詩文学賞、ヨンラン詩文学賞大賞を受賞。(選訳、康明淑)

[朝鮮新報 2007.9.22]