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汚い靴

 陽があたると
 ひときわつややかな
 母校の廊下

 掃除の時間になると低学年の子らが
 ホウキや雑巾を手に
 ピカピカに磨きあげる廊下

 ピョンピョン跳ねては笑う
 幼稚班のわが娘
 裸足で保育する廊下

 参観日には
 その廊下に立ち
 子どもたちの笑い声と
 心地よい朗読の声に
 アボジ、オモニ
 ハラボジ、ハルモニ
 日ごろの憂さを忘れてほほえむ場所

 あの日、武装警官らは
 無残にも踏みにじった
 神聖なわれらの廊下を!

 いや、この地で
 人間の尊厳守るため
 血と汗で築きあげた
 民族の拠りどころを

 今も変わらない汚い靴で
 歪んだ差別の靴で
 100年脱ぐことのなかった
 朝鮮人蔑視の軍靴で

 1世紀も脱がなかった軍靴
 進んで脱ぐはずがない
 脱がせるのだ!
 良心も羞恥もない
 悪臭放つ軍靴を!

 その軍靴には
 われら祖先の
 怨みの血が染みついている

 (朝鮮新報2007年3月16日付)

 パク・テジン

 1973年滋賀県生まれ。朝鮮大学校師範教育学部卒。かつて詩人自らが通い、教壇に立った滋賀朝鮮初中級学校。この詩は、愛娘が幼稚班に通う親子2代の母校への不当な強制捜査に怒りをぶつけたもの。(選訳、康明淑)

[朝鮮新報 2007.4.10]