気持ちは今も駿馬のように |
第14回高麗書芸研究会国際交流展 最高齢出品者 鄭然鋎 「老驥思千里」。 力強い筆致、掛け軸の中の和紙いっぱいに、パワーがみなぎっている。 作者は、高麗書芸研究会顧問の鄭然鋎さん(83)。 2日から9日まで、東京・上野の東京都美術館で開かれた、第14回高麗書芸研究会国際交流展に出品した。 「『驥』というのは千里を走る駿馬という意味。作品には、年老いて千里を走る駿馬を思う、という気持ちを込めた。今は年老いてしまったけれど、私だって昔はパルタクパルタク(元気のいい様子を表した言葉)したもんだ! 今となってはできないけれど、心は昔以上にそうありたいと願っている」 元山(江原道)出身、18歳のとき日本に渡った。書画は幼い頃、ハラボジから習ったという。 現役時代は都内6つの朝鮮学校の教員、東京朝鮮第9初級学校の校長を経た後、総聯の活動家として働いた。 退職後、友人に誘われて同研究会に参加。本格的に書画に打ち込み、作品展も開いた。昨年11月には「朝鮮歴代書芸選集」を出版した。書芸選集は、「300部刷って全部出た」と、うれしそうに話す。 展示会には、北と南、在日、在中、日本と5団体の書芸家による作品88点が展示された。 「私はプロの書芸家ではない。何事も努力が大事。常に筆を持つことを念頭において、ネタを探さなくてはならない」と、早くも15回展の構想を練っていた。 [朝鮮新報 2007.4.10] |