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 わたしがその名を呼ぶまでは
 それはただの
 ひとつの仕草にすぎなかった

 わたしがその名を呼んだとき
 それはわたしのもとで
 花になった

 わたしがその名を呼んだように
 わたしのこの色と匂いにふさわしい
 だれか わたしの名を呼んでくれ
 そのひとのもとでわたしも
 そのひとの花になりたい

 わたしたちはみな
 何かになりたい
 わたしはあなたの あなたはわたしの
 忘れられない ひとつの意味になりたい

 (1955)

 「韓国代表名詩集」

 キム・チュンス(1922−2004)

 慶尚南道・統営生まれ。1948年、初の詩集「雲とバラ」で文壇デビュー。「沼」「ブタペストでの少女の死」「處容」「立って眠る森」など多くの詩集を出し、「花の詩人」と親しまれた。他方、「第5共和国」与党国会議員への「転身」や「脱歴史」「脱現実」の姿勢には批判も多かった。(選訳、康明淑)

[朝鮮新報 2007.2.27]