日本の市民団体 朝鮮へ水害支援 「助け合うのは当然」 |
「相互理解のプロセス」 【平壌発=呉陽希記者】8月中旬に朝鮮の各地を襲った集中豪雨の被災者らに対する人道支援キャンペーンを行ってきた日本の市民団体による医薬品などの支援物資が10月26日、参加団体メンバーらの手により直接、江原道人民病院をはじめとする道内の病院や育児院に届けられた。 7団体が参加
今回支援物資として届けられたのは、抗生剤、栄養点滴、急性胃腸薬などの医薬品、簡易浄水器(2器)、栄養ビスケット(58箱)など約350万円相当。朝鮮の当該機関や朝鮮に駐在する国際機関と協議し支援内容を決定した。現地で調達できるものは平壌に支社を置くドイツの製薬会社から購入することにし、それ以外は日本で購入して持ってきた。 今回の水害復旧支援キャンペーンにはKOREAこどもキャンペーン(アーユス仏教国際協力ネットワーク、地球の木、日本国際ボランティアセンター)、在日コリアン青年連合、在日本韓国YMCA、北朝鮮人道支援の会、日本キリスト教協議会、ピースボート、日本医療救援機構の7団体が参加した。 「日朝間に拉致や核など難問が山積し、日本政府が経済制裁を実施している現在、日朝のつながりはほとんど絶たれている。けれども、このような時だからこそ、私たちは市民から市民への人道支援に取り組み、平和の土台を築いていきたい」
9月初旬、参加団体はこのように呼びかけ、10月末までキャンペーンを行った。 8月下旬、子ども交流絵画展「南北コリアと日本のともだち展」の訪朝団として現地を訪れた筒井事務局長は、今回の支援活動について「日本で朝鮮の水害に対する資料が少なく難しいことが多かった。その中でも取材で被災地を訪れた朝鮮新報の平壌特派員から聞いた話がキャンペーン開始を決定的なものにした」と話した。 被災者との出会い
メンバーらは江原道人民病院で5人の被災者と会った。 外傷ですんだ人はそろそろ退院だが、精神的に大きな衝撃を受けた人はまだ回復に時間がかかるという。物資を届けた育児院でも水害以降、院児が28人増加したそうだ。 状況を目の当たりにした清水事務局長は、「いちばん近くにいるもの同士、困ったときは助け合わなければいけない。現在、このようなことができない状態にあること、日本人が朝鮮の人々に協力しようと考えられない風潮が問題」だと指摘、朝鮮に対する敵視政策を改めようとしない日本当局に怒りを表した。 櫛渕事務局長は、「いまだに日朝間は難しい状態が続いている。しかし、目の前に日本の市民たちが用意したものがあるということが市民レベルの相互理解につながれば。小さくても確実なプロセスを積み重ねて状況を変えていきたい」と語った。 また、寺西さんは「人道支援に尽きるのではなく、今後も朝鮮の人びととの交流の場をもって信頼関係を培っていきたい」と話した。 [朝鮮新報 2007.11.2] |