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米で「慰安婦」問題世界大会

日本軍性奴隷制犯罪を告発

 「日本軍『慰安婦』問題解決のための世界大会」(主催=同大会準備委員会)が、4日から6日まで米国・ロサンゼルスにあるカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で開催された。旧日本軍による戦時性奴隷制犯罪が、被害をこうむった国々の枠を超えて世界的な人権問題としてクローズアップされる中で開かれた今大会は、「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」(2000年、東京)以来の大規模な行事として内外の注目を集めた。

活発な討議

大会開催に先立ち、日本政府の謝罪と補償を求める「水曜デモ」に参加する「慰安婦」被害者と市民団体メンバー(3日、日本総領事館前で) [写真=聯合ニュース]

 大会には開催地の米国をはじめ南朝鮮、日本、中国、台湾、フィリピン、オランダ、ドイツなど10余カ国の団体と個人、各国の旧日本軍性奴隷制被害者らが参加した。旧ユーゴとルワンダ国際戦犯法廷のジェンダー犯罪法律顧問を務めたパトリシア・セラーズ氏をはじめ著名な法律家、大学教授、政治家なども参加した。

 また、朝鮮人強制連行真相調査団も代表を送った。当初、朝鮮から「日本軍『慰安婦』および強制連行被害者補償対策委員会」代表団が参加する予定だったが、ビザが下りず実現しなかった。

 今回の大会は、強制動員させられた「慰安婦」に対して日本政府が公式に謝罪し、補償責任を負うことを求める決議案(HR121)が7月末に米連邦議会下院で採択された後、初めて開かれる国際的な行事となった。米国で世界規模の大会が開催されるのも初めてのこと。

 大会初日目の4日は、非政府組織(NGO)によるシンポジウムを中心に日程が進んだ。南朝鮮在住のリ・マクタルさんをはじめ被害者らも証言を行った。基調報告を行ったアニー・ファレオマバエガ下院議員(米領サモア、民主党)は、「日本軍の残虐行為は決議案の通過などを通じて国際的に広く認識された。今後は批判だけに止まらず、さらに前進すべきだ」と指摘。運動の課題として、「ジュネーブ協定に明示された戦争捕虜人権条項のように、女性を性奴隷にする行為を全面禁止する条項を作るなどの対策が必要」だと述べた。また、「慰安婦」に関する政策は日本軍の最上層部の意志により計画的に実行されたと強調し、日本政府の謝罪と補償を求めた。

 5日には各国の研究者や専門家らによるシンポジウムが開かれた。最終日の6日にも、「慰安婦」問題に関して法律家を中心に法的側面から活発な討議が行われた。

 同日夕、米議会「慰安婦」決議を主導したマイク・ホンダ下院議員主催の閉幕レセプションが開かれ、3日間の日程を終えた。

 大会では「日本軍『慰安婦』被害者のための人権宣言」が発表された。

 また大会期間中、UCLAで「慰安婦」問題に関連した映画の上演や写真展、絵画展なども開かれた。

 開幕前日の3日には、被害者と各国の活動家らが問題の解決を求めて市内の日本総領事館前でデモを行った。

幅広い世論喚起を

 今回の大会は、米ロヨラ・メリーマウント大学の李鍾和、ステラ・オー両教授、アムネスティ・インターナショナルのポール・ホフマン弁護士(ともに大会準備委員会の共同委員長)らが中心となって企画した。各国人権団体の支持、支援を受けて2004年から準備を進めてきた。

 李鍾和教授は、「慰安婦問題を通じて世界平和と社会正義、人権の重要性を喚起するための国際的連帯を強めた。慰安婦の存在すら知らない米国の大学生に対する教育という意味も大きい」と、大会の意義を強調した。

 主催者側は、▼日本軍「慰安婦」問題に対する世界的関心の増大、世論形成、▼問題解決のための国際協力強化、研究活動促進、▼米国内での「慰安婦」問題に対する認識改善、▼日本の公式謝罪と法的補償を要求する運動に対する米国市民社会の参与促進などの面で成果があったとしている。

 準備委員会では、大会で論議された内容をもとにドキュメンタリーや、大学教科書を含めた各種出版物を制作する予定だ。(李相英記者)

[朝鮮新報 2007.10.19]