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〈論調〉 安倍の中東「エネルギー外交」批判

 今回安倍が歴訪した中東諸国がすべて産油国であるということは、決して偶然のことではない。日本は、所要石油の90%を中東諸国から輸入している。石油供給の安全性を保証することが、まさに安倍の今回の中東訪問の主要目的であった。

 現在、これらの国は技術と資金などを切実に求めている。日本は、中東の産油諸国のこうした実情を巧妙に悪用して自国の古い技術などを石油と引き換えようとしている。その下心は、中東の産油諸国を経済的にさらに隷属させ、廉価で石油を底が尽きるまで強奪しようとすることである。

 日本の今回の歴訪外交で特別に注目を引いたのは、安倍の中東諸国訪問と時を同じくして日本の経済産業相が大手の企業家たちを率いてカザフスタンを訪問したことである。

 カザフスタンには石油、天然ガスをはじめ天然資源が豊富にある。日本の経済産業相が大手の企業家たちを率いてカザフスタンを訪問した目的の一つは、「協力」という名目のもと、同国の豊富な石油と天然ガスを輸入しようとするところにある。

 しかし、より重要な目的はカザフスタンのウランなど核エネルギー資源を独占しようとすることである。日本は軍事大国化、核大国化を積極的に進めようとしている。こうすることで、日本は何としてもアジアの「盟主」になって地域諸国を支配し、隷属させ、意のままに天然資源を略奪しようとしている。安倍が言った中東の「新時代」とは本質上、同地域の国々に対する支配と隷属、搾取と略奪の新時代を開いていくということである。

 日本軍国主義の侵略的、略奪的本性はいつになっても変わらない。

 世界の進歩的な人民は、日本軍国主義の侵略的、略奪的本性をしっかり見抜き、高度の覚せいと警戒心を持つべきであろう。(労働新聞14日付論評)

[朝鮮新報 2007.5.19]