〈朝・日国交正常化作業部会〉 「早期正常化へ向け努力」で一致 |
【ウランバートル発=金志永記者】5、6の両日、モンゴルのウランバートルで6者会談の朝・日国交正常化に関する作業部会が開かれた。両国は平壌宣言に基づく国交正常化の早期実現に向けて、今後も具体的な措置を協議していくことで合意した。
宋日昊・外務省朝・日会談担当大使を団長とする朝鮮側代表団と、美根慶樹・日朝国交正常化交渉担当大使を団長とする日本側代表団が参加した。朝・日作業部会は今年3月のハノイ会議以来6カ月ぶりの開催。 会議では、初日に日本の過去清算問題が集中的に論議された。2日目には拉致問題が扱われた。 過去の清算問題に関して朝鮮側は、▼植民地時代の人的、物的、精神的被害に対して補償する問題▼在日朝鮮人の地位問題▼文化財の返還問題などを提起した。朝鮮側の会談関係者は、日本側が朝鮮側の要求と主張に対して、「問題解決に誠実に応じる」との姿勢を示したことを明らかにした。 また、日本当局による総連弾圧問題も重要に扱われた。
会議終了後、双方代表団はそれぞれ記者会見を行い、協議の結果を発表した。 双方は6者会談の「9.19共同声明」と「2.13合意」における公約を再確認し、朝・日平壌宣言に基づいて両国間の不幸な過去を清算、懸案事項を解決し国交正常化を早期に実現させるため誠実に努力することで一致した。そしてこれからも国交正常化の早期実現に向けた具体的な行動について協議し、これを実施していくことにした。 また、今後の作業部会で互いの関心事項について誠意を持って協議していくことを確認し、可能なかぎり作業部会を頻繁に開催していくことにした。 会見で発言した朝鮮側の金哲虎・外務省副局長は過去清算問題の協議について、「互いの立場を充分に表明した。過去の協議よりも前進があった」と述べた。 一方、拉致問題に関して、「問題は解決したという朝鮮側の立場を伝えた。日本側はまだ疑問点が残っていると主張した。双方の立場には差があるが、今後これをいかにして縮めていくか日本側と協議を続けていく」と話した。 日本の対朝鮮制裁については、「制裁の撤回は日本側に関係する問題」と前置きしながらも、「関係改善の雰囲気を作るうえで最初の段階が制裁の撤回ではないか」と述べた。 [朝鮮新報 2007.9.10] |