〈今月の金正日総書記−7月−〉 中国外相と会見 6者会談の進展に言及 |
外務省スポークスマンは6月25日、「『バンコ・デルタ・アジア』(BDA)の凍結資金問題が解決した」と発表。これにより膠着状態にあった「2.13合意」履行プロセスが再び動き出した。 米国務次官補らも 朝鮮中央通信によると、金正日総書記は7月3日、訪朝した中国の楊潔箎外相一行と会見した。 外相は席上、金正日総書記に寄せられた中国共産党総書記である胡錦濤・国家主席の口頭親書を伝え、自身が準備してきた贈物をした。 金正日総書記はこれに謝意を表し、外相と温かい雰囲気のなかで談話を交わした。
翌日、楊外相一行を空港で見送った金永日外務次官は「今回の中国外相の訪問を朝鮮側が高く評価」しており、「金正日総書記も満足を表した」と述べた。 楊外相は、「金正日総書記が会見してくれたことをとてもうれしく思う。今回の訪問を通じて朝鮮の党と政府の政策と朝鮮人民についてより深く理解することができた」としながら、「中朝関係の発展と6者会談の進展に関する総書記の発言を、胡錦濤国家主席をはじめ中国側の指導者に伝える」と述べた。 金外務次官は、今後も朝中親善の発展のために双方が力を合わせていくことについて強調し、今秋には朝鮮側が中国を答礼訪問するだろうと語った。 BDA問題の解決に先立ち、6月21、22の両日、6者会談米国側団長のクリストファー・ヒル国務次官補が訪朝。朝鮮側とBDA問題解決後の「次の段階における各側(6者)の行動措置に対する深みのある意見」を交わすなど、「包括的で生産的」(6月23日、外務省スポークスマン)な協議を行った。 続いて、国際原子力機関(IAEA)実務代表団が訪朝。寧辺を訪れ、核関連施設を見て回った。 楊外相の訪朝はこうした流れの中で実現した。中国の党と政府の高官の訪朝は、昨年10月の唐家璇国務委員以来のこと。 楊外相は2日、朝鮮政府が催した歓迎宴会での演説で、「中朝親善、協力関係を絶えず強化、発展させることは中朝関係を高度に重視している中国の党と政府のゆるぎない方針」だと強調した。 朝中間の親善関係については朝鮮側も同様に、「両国の老世代の指導者から受け継いだ伝統的」なものであると認識している。そして、親善関係の強化は「朝鮮労働党と朝鮮政府の一貫した立場」でもある(最高人民会議・金永大副委員長、10日の朝中友好条約締結46周年宴会)。 地方で選挙に参加 7月29日、道、市、郡人民会議代議員選挙が朝鮮各地で行われた。 総書記は、咸鏡南道の咸州郡楸上協同農場を訪れて道(直轄市)、市(区域)、郡人民会議代議員選挙に参加した。 咸鏡南道人民会議代議員選挙のための第85号選挙区第36号分区委員長から選挙票を受け取り、道人民会議代議員候補者と咸州郡人民会議代議員候補者に投票した。 4年に一度行われる地方主権機関代議員選挙は、国の「一心団結の威力を示す重要な契機」であり、「チュチェ革命偉業と社会主義強盛大国の建設を力強く促進していくうえで大きな意義をもつ政治的出来事」(労働新聞29日付社説)だ。 今回、総書記が咸鏡南道で選挙に参加したことから、総書記が地方でも精力的な活動を行っている様子がうかがえる。この日も投票後、楸上協同農場の営農活動と農村建設情況を見て回った。(呉陽希記者) [朝鮮新報 2007.8.17] |