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総連弾圧、超強硬姿勢で対処 朝鮮各地で糾弾集会

「安倍政権の非道、許さない」

 【平壌発=李相英記者】安倍政権による総連と在日同胞に対する政治弾圧を糾弾する群衆集会が10日の平壌市を皮切りに、元山市(11日)、金鐘泰電気機関車工場(12日)、韓徳銖平壌軽工業大学(13日)で相ついで行われた。集会では、安倍政権の総連弾圧を「朝鮮に対する主権侵害行為」と断じ、絶対に妥協せず超強硬の姿勢で対処していくとの立場が表明された。

元山集会 会場埋め尽くした市民

日本当局の総連弾圧を糾弾する元山市民たち(11日、元山体育館、撮影=盧琴順記者)

 11日、元山市体育館に集まった市民たちの表情は険しく、一様に怒りにみちあふれていた。

 土砂降りの雨にもかかわらず、1200人余りの市民たちで会場は埋め尽くされた。

 会場の収容能力を超える人々が集まったため、主催者側が参加人数を制限するほどだった。市民たちの集会に対する関心の高さをうかがわせる光景だった。

 「万景峰92」号が停泊する港町の元山には、帰国同胞が多く暮らしている。総連と在日同胞と縁がとくに深い元山で集会が開催されたことについて、江原道人民委員会海外同胞事業処のキム・チョルホ処長は「安倍政権の在日同胞迫害をこれ以上許さないというわが人民の断固たる意志表示」だと説明した。

 「日本の反動層がいくら『制裁』『封鎖』と騒ぎ立てても、われわれは負け犬の遠吠えほどにも思わない。しかし、在日同胞の祖国往来をはじめ人道的使命を担う『万景峰92』号の日本入港禁止措置の延長だけは、決して看過できない」(労働新聞6月6日付論評)というのが朝鮮国内の世論だ。

 とくに元山市民は、「万景峰92」号の往来を遮断した日本当局の措置に強い憤りを隠さない。

 日本当局は、朝鮮に対する制裁として現在、貿易取引と船舶の往来を遮断している。舞鶴や境港など、日本の港町との航路が遮断された。しかし元山市の関連部門関係者は、制裁による影響はほとんどないと指摘する。

 「もともと小規模の貿易取引だった。それが中断されたからといって、たいしたことはない」

 最近、元山をはじめ江原道内では最新設備を備えた工場や企業所が相ついで建設されている。改造、現代化された工場や企業所も多い。

 6月19日に竣工した元山靴工場のチョ・ジョンチョル支配人は、「われわれは日々前進している。対朝鮮制裁と総連弾圧に奔走する安倍政権は必ず後悔するだろう」と話した。

往来遮断に強い怒り

 しかし、元山では「『万景峰92』号の往来遮断措置だけは絶対に許せない」というのが大多数の声だ。

 「万景峰92」号は、昨年7月の日本当局による入港禁止措置以来、元山港に停泊したままだ。在日同胞迎接事業を長く担当しているキム処長は、「『万景峰92』号が日本から同胞を乗せずに戻った時、元山市民は憤激した」と当時を振り返った。

 「人権尊重を叫ぶ日本が、人道主義目的の小さな船をなぜそこまで非道に扱うのか」
 キム処長は、日本当局の措置は「理性を喪失した者の妄動」だと非難した。

 この日の集会には、市内に住む帰国同胞とその子どもたちも多数参加していた。

 1960年に帰国、元山市出版物普及所のチャン・ヨンスン所長は日本に5人の兄弟がいる。彼女は2002年9月、親の墓参りのため日本を訪問したこともある。

 「同胞らの血と汗の結晶であり、生活のよりどころである総連を攻撃する安倍政権に対して、怒りを抑えきれない」

 チャン所長はこのように語りながら、肉親との再会が遮断されて憤慨している帰国同胞たちの心情を代弁した。

 「小泉前首相は2回目の平壌訪問時、在日同胞を弾圧しないと約束した。その後任者である人物が今やっていることを見ると、本当に道徳のかけらもなく政治的にも能力がないことがわかる」

 日本で暮らす兄弟は、80年代から船便で祖国を訪問し続けてきた。しかし昨年、日本当局が制裁措置を強行してからは、彼らとの再会は実現していない。

 チャン所長は、「埠頭で『万景峰92』号を見るたびに、亡くなった両親を思い出す」という。そして「私たちの人道的権利をじゅうりんした日本当局の行為は必ず断罪されなければならない」と強調した。

平壌市集会 過去と一線を画す反日キャンペーン

 【平壌発=姜イルク記者】日本反動らの総連弾圧策動を糾弾する平壌市集会(10日、中央労働者会館)で、各界層の演説者が一様に強調したのは「島国(日本)を粉々に砕き、太平洋深く水葬しよう」という内容だ。

日本反動らの総連弾圧策動を糾弾してスローガンを叫ぶ平壌市民(10日、中央労働者会館、撮影=盧琴順記者)

 このような過激な発言に市民らは大きな拍手で応えた。朝鮮人民の反日感情がどの境地に至ったのかを端的に示している。

 最近、平壌市民にインタビューする際、真っ先に耳にする言葉が、「テレビで総連関連施設に対する日本警察の強制捜索のシーンを見て怒りで身震いした」だ。この日、会場に駆けつけた40代のある市民は、家族のような在日同胞に弾圧を加えることを絶対に許さないと述べた。

 朝鮮は、総連に対する弾圧は自国の主権に対する侵害だと数回に渡って警告した。にもかかわらず、総連と在日朝鮮人に対する弾圧はさらに強化されている。市民らは口々に安倍政権を絶対に許さないと話す。

 このような社会的雰囲気を背景に集会は行われた。

 日本のみを対象とするこのような集会が朝鮮国内で行われるのは、異例のことだ。

 過去にも、米国をはじめ敵対国に反対する集会がさまざまな形で行われてきたが、「日本糾弾」を単独テーマにした集会はこれまでなかった。

 こんにち、対日関係における攻撃の的が安倍首相に集中していることは、この日の集会発言を通じてはっきりとわかる。安倍政権発足以来、朝鮮人民の反日感情は極限に達している。

[朝鮮新報 2007.7.20]