朝中親善の象徴−大安親善ガラス工場 |
高品質製品生産ライン建設へ/収益、現在の10倍以上にも 【平壌発=文・厳正彦、姜イルク記者、写真・盧琴順記者】 中国の党と政府が無償提供し、2005年10月9日に竣工、操業を開始した大安親善ガラス工場(南浦市)。以来、1年9カ月が過ぎたが、これまで一日も稼動を中断することなく生産を行ってきた。製品の50%は国内で消費される。残りの50%は中国、ロシア、南朝鮮などに輸出され、その質的水準によって高い評価を得ており、需要はますます増えているという。そうした国内外の需要に応え、合わせて収益が現在の10倍以上も見込まれる強化ガラス、熱反射(着色)ガラス生産ラインの建設が現在、工場の敷地内で推進されている。 出入港を待つ国外の船
記者たちが訪れた日、正門をくぐり4つの生産ラインからなる工場の左斜め後方に敷設されている埠頭では、同工場の国内原材料基地(黄海南道龍淵郡)から船で運び込まれた珪砂(花崗岩などが風化してできる砂)の搬入作業が行われていた。 工場を案内してくれたパク・ジョンウン支配人(41)によると、原材料基地は黄海南道のほか、咸鏡南道咸州郡など4カ所に置かれており、炭酸ソーダなど国内での供給が困難な一部の材料だけを外国から輸入しているという。 埠頭周辺には他の原材料を積んだ船、そして完成した製品を積み込もうとする船が入港の順番を待っていた。その一方で工場敷地内を、製品を積み埠頭に向かい、あるいは荷卸しを終えた貨物トラックが行き来する。 西海閘門によって広大な人工湖と化した大同江畔に位置する工場は、平壌−南浦の湖畔道路に隣接し鉄道も引き込まれ、水路と陸路、鉄道による原材料搬入、製品搬出が迅速に行われている。 「前途は洋々」と自信 工場では一日に300トンの原材料を処理し1万8000uのガラスを生産している。そのうち半分は国内の公共建物や住宅など市民生活のさまざまな部分に使われ、残りの半分は輸出されている。
「製品を輸出し、その一部の見返りとして生産の正常化と工場の発展、拡大に必要な資材、付属品を輸入している。製品の質、水準は非常に良いと輸出先から高い評価を受けている」(パク支配人) 現在、強化ガラスと熱反射ガラスの生産ライン建設が急ピッチで進められている。設備はヨーロッパの最新水準のものが導入される予定だ。同量の原材料を使って生産した場合、現在の製品に比べて強化ガラスは8倍、熱反射ガラスは15倍程度の価格になるという。 パク支配人は「来年には生産ラインが完成し、将来的には多種多様な製品を生産していく計画だ。この工場の前途は洋々で国家経済にも大きな利益を与えていくことになる」と自信に満ちて語る。 溶解、成型、製品化、包装の4工程からなる工場の内部を見て回った。原材料を処理する溶解の第1段階工程内部の温度は最高1567℃にもなる。 その熱気はすさまじく溶解炉の周囲には何秒も立っていられなかった。これが製品化の第3段階に至ると60℃程度にまで下がり切断ラインの線引き、切断が行われ、完成品が誕生、包装となる。これらの工程はすべてコンピュータによって制御された一貫作業となっている。安全性、製品の質も完璧に保障される。 誇りに満ちる労働者
竣工以来、国内各地はもとより外国からも参観者が相次ぎ、工場内部を見学しながら一様に感嘆の声を隠さないという。 労働者たちは朝鮮を代表する有数の現代的な工場であるという点とともに、朝中親善の象徴として同工場で働く誇りに満ちていた。 中央操縦室で働くリ・ビョンチャンさん(50)は、中国の技術者たちの功労を次のように高く評価する。 「建設はもちろん、竣工後も中国の技術者たちは、どういう事態が起きても工場を確実に正常運営していくという覚悟を持って仕事をし、提起されるさまざまな技術的問題の解決に誠実にあたり、また教えてくれた。われわれが自分たちの力で運営を行っていくことができるようになった現在も補助してくれている」 朝中両国の最高指導者が深い関心を寄せている工場運営に中国側は、引き続き大きな力を注いでおり、現在も残っている9人の技術者は今年10月まで常駐する予定だ。また、今月11日には資材、完成品の輸送に使う牽引機関車が工場に提供され、寄贈式が新義州で行われた。 [朝鮮新報 2007.7.18] |