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技術革新で飛躍への足場築く 「次は経済強国」が共通の認識

 平壌の多くの工場の責任者たちは「経済強国建設は近い未来のこと」と口をそろえる。

重要工業に投資集中

 朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議第11期第5回会議(4月)で内閣副総理の郭範基代議員は、2006年度を総括して、社会主義経済建設で貴重な成果が収められたと報告した。とくに、重要工業部門に投資を集中したことにより、民族経済の自立的土台がより強固になり「新しい飛躍の足場」が確固として築かれたと強調した。

 朝鮮のメディアや人々は、「科学技術重視路線の貫徹に経済強国建設の担保がある」と説明する。大衆運動として近年大々的に推進されてきた技術革新、現代化のキャンペーンは未来をしっかり見据えた国家的経済政策の根幹をなした。

 今年の共同社説は「科学者、技術者たちは燃えるような情熱と創造的才能で先端科学技術を開拓し国力強化において歴史的功績を築いた」と評価した。

 経済的困難を強いられながらも労働者、科学者、技術者らが国の科学重視政策に基づき、世界水準で技術革新、現代化を推し進めた。2006年度科学研究部門に対する国家的投資の増加もあり、多くの発明と科学研究成果が達成され生産の活性化と人民経済の技術革新に貢献した。

150件以上を導入

平壌子ども服工場の生産現場

 たとえば、平壌子ども服工場では近年、技術革新と技術習得に全力を傾けた。国からの原料、燃料の供給が途絶えたなか、かき集めた糸で高品質の肌着を生産した。そして、独自に開拓した海外の取引ルートを通じて生産を拡大させていった。

 2001年以降、製品の品質向上、生産の合理化のために導入された技術革新は150件以上にのぼる。従業員の国内技能級数は平均2倍となった。従業員らは下着からコートまで「どんな服でも作れる」と自信たっぷりに語る。

 平壌子供服工場のペ・ヨンジュン支配人(53)は「(90年代後半から)未来を見据えて人々の学習意欲を呼び起こしたことが、21世紀に入って具体的な成果として表れた」と語る。

科学重視、人々に浸透

平壌日用品工場の生産現場

 朝鮮で唯一、歯ブラシを生産している平壌日用品工場歯ブラシ職場も技術革新で注目されている。職場のすべての従業員が夜間通信教育を受け専門知識を習得し、生産の自動化、現代化、コンピュータ化を実現した。ナノテクノロジーを導入したナノ銀抗菌歯ブラシはそんな従業員たちの力で商品化された。原価が安くほかの樹脂製品への応用やリサイクルシステムの運用などの実績もあり、世界的な市場でも競争力があると関係者は見ている。

 科学重視、技術革新の政策は人々に深く浸透した。人民大学習堂をはじめ大学や研究機関では一般市民向けの科学セミナーがひんぱんに開催されている。コンピュータやイントラネットを利用した公開講座によって、たとえば地方に住みながらも平壌の有名な学者の講義を聞くこともできる。とくにコンピュータを学ぶ意欲には目を見張るものがある。

 「飛躍の足場」を固めたことにより「次は、経済強国」という目標が人民の共通意識として定着した。

 子ども服工場のペ支配人は「私たちは近い未来によく暮らせるようになる。自力更生の精神で、あらゆる難関を克服した私たちに恐いものなどない」と語る。

[朝鮮新報 2007.6.1]