〈インタビュー〉 朝対委の洪善玉委員長 「慰安婦」問題、国際連帯運動で日本に圧力を |
【平壌発=李相英記者】朝鮮日本軍「慰安婦」および強制連行被害者補償対策委員会(朝対委)は先月27日、「慰安婦」問題の解決と米下院での「慰安婦」決議案採択運動を支持するとの書簡を米国の民間団体あてに送った。朝対委の洪善玉委員長に会い、「慰安婦」問題の解決に対する見解と立場、朝鮮国内の対日世論と朝対委の活動計画などについて聞いた。 米議会の決議支持 −米議会で「慰安婦」決議案を採択しようとする動きをどのように評価しているか。 今回の米下院の「慰安婦」決議案採択の動きは、過去清算を回避する日本に対する圧力となり、肯定的なことだ。過去清算を要求する世界的な運動に呼応したものといえる。 議会だけでなくマスコミ、市民、社会団体をも含む一連の動きは、国際的に展開してきた連帯運動の成果だといえる。朝鮮の運動団体もそのような国際的な動きの中で、引き続き中心的な役割を果たしていくだろう。 −「慰安婦」に関する歴史をわい曲する安倍政権の言動が国際的な非難を呼び起こしている。 現職首相と内閣官房副長官が直接国際社会の反発を受けながら、最低レベルの妄言を吐くことはこれまでになかった。これは日本の現政府が、過去に日本帝国主義が犯した反人倫犯罪の不法性と罪悪性を認めず、それに対する責任も果たそうとしていないことを表している。 今回彼は訪米を契機に、「慰安婦」問題と関連した狡猾な言説を並べたが、過去に自国が20万人の女性たちに対して犯した反人倫的犯罪については向き合わず、10余人の拉致問題だけを一方的に云々するのは誤っている。安倍首相の言動は、被害者とアジア人民に対する愚弄であり、国際社会に対する公然たる挑戦である。 −ソウルで開催される第8回日本軍「慰安婦」問題解決のためのアジア連帯会議(5月20、21日)に、朝鮮代表団を率いて参加するが。 今回の会議は日本軍「慰安婦」問題の解決を要求する国際的関心がいつになく高まった時期、きわめて適切な時期に召集された。今、日本軍「慰安婦」問題解決のための運動は、アジア地域だけでなく、米国とヨーロッパ各地でも展開されている。 私たちは、今回の会議で問題解決のための運動をより広く国際的版図へと拡大させ、積極化させるための効果的な対策が協議されることを期待している。また、日本の過去清算を要求するすべての団体が互いに連帯、連合して国際的協力システムをより発展させていくことに寄与することを望む。 一方で北と南の団体間の連帯と協力をさらに強化させて、過去清算問題でも「わが民族同士」の精神を高めていきたい。 10月、米国の会議に参加 −今後、日本の過去清算を要求する運動をどのように推し進めていくのか。 大きくは2つの方向で計画している。 まず国内では、これまで入手した朝鮮人強制連行被害者42万人の名簿に関する調査確認作業を進め、朝鮮人強制連行実態と犠牲者の遺骨真相を明らかにする事業を続けたい。一方、強制連行されて行方不明となった人々の消息調査を、国連強制失踪グループに提起して展開していきたい。 つぎに、国際的には日本の重大人権蹂躙犯罪清算を要求する世論を引き続き高められるよう、日本当局に大きな圧力が加えられるよう重点を置いて活動する。諸外国と地域の団体及び人士との連携、連帯を強化して、国連人権理事会で日本軍「慰安婦」問題と強制連行犠牲者遺骨問題を引き続き提起し、その解決のためのロビー活動を展開することも計画している。米国議会で「慰安婦」関連決議案を採択することを要求する運動にも積極的に参与していきたい。 10月、ロサンゼルスで開かれる日本の過去清算を要求する国際連帯協議会第5回会議を、この問題に対する国際的関心を一階段高める契機にしたいと思う。会議には朝鮮代表団も参加する予定だ。 [朝鮮新報 2007.5.11] |