6者会談を妨げる日本の態度を論じる 労働新聞 評論員の記事 |
労働新聞7日付は、「6者会談を妨げる日本の態度を論じる」と題する評論員の記事を掲載した。要旨は次のとおり。 現在、6者会談に対する内外の関心は大きい。朝鮮半島の平和と安全を願っている朝鮮人民と世界各国の人民は、6者会談当事者が真しな立場と態度で会談に臨み、実を結ぶことを期待している。しかし、遺憾にも日本の不遜で無礼な態度により会談の進展と合意履行の前途が暗くなっており、朝・日関係は極端な状況へ広がっている。 会談で「拉致問題」掲げ 彼らは、「拉致問題」が解決されなければ朝・日関係正常化がなされないだの、6者会談合意による対朝鮮支援に参加しないだの、何だのと強弁を張っている。日本の無責任で不当な態度により、6者会談の2.13共同文書によって行われた関係正常化に向けた朝・日作業部会が初めから決裂する不正常な事態が生じ、6者会談全般が曲折を経ている。 日本は6者会談に参加して会談に役に立つことは何もせず、逆に妨害だけをしている。 6者会談は、朝鮮半島の非核化問題を討議する場所であって、いかなるほかの問題を論じる場ではない。朝鮮半島の非核化と「拉致問題」は縁もゆかりもない。 しかし、彼らは初めから会談とは縁もゆかりもない問題を前面に提起し、6者会談場を自分らの不純な目的を実現するテコ、朝鮮に対する圧力強化の場所にしようとあらゆる卑劣な策動を弄している。これは、朝鮮半島の非核化を願う朝鮮人民と世界各国人民の志向に対する悪らつな挑戦であり、6者会談に対する愚弄である。 朝鮮半島の非核化は、われわれの一貫した立場である。 われわれは、朝鮮に対する敵対勢力の圧力と恐喝策動が前例なく強まり、朝鮮半島の情勢が予測しがたい状況へ突き進んでいる厳しい情勢のなかで、朝鮮半島の核問題を対話と協議を通じて外交的な方法で解決しようとする立場から主動的に6者会談を発起し、実現させた。われわれの誠意ある努力によってこれまで再三にわたって6者会談が行われ、2005年に9.19共同声明が採択されたのに続き、今年の2月には朝鮮半島非核化の実現に向けた初期段階の行動計画が合意、発表された。ところが、日本は紆余曲折のすえ、ようやく6者会談のプロセスを通じて朝鮮半島の非核化を実現することのできる展望が開かれるようになるや、本性を現し、途方もない問題を持ち出して会談の進展を故意に阻んでいる。これを6者会談に対する公然たる挑戦という以外に何と言えようか。 日本が途方もない問題を政治化、国際化して騒ぎ立てるのは、6者会談を破たんさせて朝鮮半島の非核化が実現されないようにしようとする企図から発したものである。 「核武装した日本」作り 6者会談のプロセスが成功裏に進められ、朝鮮半島の非核化問題が解決されるためには、会談に参加するすべての関係国が対話に対する誠実な立場と姿勢を持たなければならない。 朝鮮半島の非核化を実現し、平和を保障するうえで6者会談参加国は、会談の性格と趣旨にふさわしく自国のなすべきことを果たさなければならない。 日本は、6者会談場に冷気だけをもたらす妨害者にすぎない。 日本は、6者会談のプロセスが順調に進んで朝鮮半島の非核化が実現されることを快く思っていない。6者会談を破たんさせて朝鮮半島の非核化が実現されないようにしようとするのが日本の対話に対する立場であり、本心である。 日本が会談場の内外でわれわれに反対する策動の度を強めているのは、朝鮮半島核問題の解決を遠ざけ、それを自国の核武装化の口実にしようとするところにも目的がある。 彼らは、核兵器を保有して米国の「核の傘」から脱して超大国の地位を獲得し、核列強と対等な姿勢で世界の重大事に公然と介入し、海外膨張野望を実現することを夢見ている。安倍が政策的目標としている「美しい国づくり」というのは、とりもなおさず「核武装した日本」を意味する。 「拉致」と比較できない 日本の対朝鮮敵視策動の裏には、日本軍「慰安婦」犯罪をはじめ血なまぐさい過去史をわい曲、否定し、軍国主義を復活させようとする犯罪的企図も隠されている。 日本について言えば、かつてわが国をはじめアジア諸国を侵略し、血なまぐさい殺りく蛮行と平和破壊犯罪を行った戦犯国である。過去の犯罪、とくに日本軍「慰安婦」問題に対する態度は日本が過去史にいかに接するのかを示す試金石となる。 日本軍「慰安婦」犯罪は未曾有の特大型事件であり、幾人かの「拉致問題」とは到底比較できないものである。 日本軍「慰安婦」問題に対する日本当局者たちの態度は、実に破廉恥で低劣である。 こうした連中があえて重大な問題を取り扱う6者会談に参加したこと自体が歴史の悲劇であり、汚点である。 日本軍「慰安婦」問題に関する日本反動層の破廉恥な立場と姿勢は、彼らが依然としてアジア再侵略の凶悪な野望を抱いているということをはっきり実証している。 日本は、「平和憲法」破棄と戦争憲法づくり策動を本格的に推し進めることにより、「平和国家」という安っぽい飾り物を完全に投げ捨て、侵略国家の姿をさらけ出している。 安倍勢力の「戦後レジーム(体制)からの脱却」論は、歴史のしゅん厳な裁きを受けた過去史に対する反省と謝罪を拒否し、それを繰り返すという公式宣言と同じである。「戦後レジームからの脱却」論は、とりもなおさず戦争体制樹立論、侵略国家建設論である。まさにここに、日本軍「慰安婦」犯罪を否定、わい曲し、「戦後レジームからの脱却」「美しい国づくり」を唱える安倍勢力の隠された企図が潜んでいる。 理性的判別力ない執権層 政治家は、誰よりも理性的な判別力と国の運命に対する責任感を持っていなければならない。しかし、現日本執権層にはこれがない。軍国主義過去を懐かしみ、罪深い過去とは是が非でも決別せずに海外侵略の道をひた走ろうと狂奔する安倍勢力をどうして理性があり、国の将来に対する責任感を持っている政治家であると言えようか。こうした無分別で無責任な連中が政治を行う日本には将来がない。 日本の核野望と海外侵略企図を許せば、東北アジアと世界の平和、安全が由々しく威嚇、破壊されるというのは論じるまでもない。 世界は、日本の破廉恥な歴史わい曲、危険な軍国主義策動に高度の警戒心を持って接し、それを断固と阻止し、破たんさせるべきである。日本の軍国化と海外侵略、核武装化は国際的孤立と破滅の道である。日本の活路は過去の清算と平和的発展にある。(中見出しは本紙編集部) [朝鮮新報 2007.4.13] |