〈今月の金正日総書記−3月−〉 朝中両国の民俗祝日 小正月に中国大使館訪問 |
3月の金正日総書記の活動は中国大使館訪問から始まった。2カ月ぶりに軍視察も行われた。 胡主席の口頭親書伝達 朝中両国の民俗祝日である小正月(陰暦1月15日)に際し駐朝中国大使の招請によって3月4日、同大使館を訪問した。 総書記は招請してくれたことに謝意を表し、祝日を迎える大使館員を祝った。 劉暁明・駐朝中国大使は席上、金正日総書記に寄せられてきた中国共産党総書記の胡錦濤・国家主席の口頭親書を伝え、自身が用意した贈物をした。
総書記は、大使と談話を交わし、大使が催した宴会に参加した。 これまで、総書記の中国大使館訪問が報じられたのは3度目。00年3月5日(新年にあたり)、01年7月1日(中国共産党創建80周年にあたり)に訪問している。いずれも中国大使館側の招請によるものだ。 朝鮮中央通信は、今回の訪問のきっかけである小正月について「朝中両国の民俗祝日」であると強調した。朝鮮では03年頃から、旧暦の伝統的な民俗祝日を大きく祝うよう国家的措置が講じられ、旧正月や小正月などを盛大に祝っている。今回のタイミングは、ともに小正月を祝う国同士だからこそ実現できたものだといえる。 情勢の流れからみると、訪問の翌5日にはニューヨークで朝米国交正常化作業部会、3日後には朝・日国交正常化作業部会、そして19日からは第6回6者会談が控えていた。 今回、胡国家主席の口頭親書が伝えられたが、最近では、朝鮮の核実験後昨年10月19日に、胡国家主席の特別代表として訪朝した唐家璇国務委員が総書記との会談の際に伝達している。 一方、総書記は、同大使館訪問が伝えられた年には必ず、中国を非公式訪問している。 00年は大使館訪問2カ月後の5月29〜31日、01年は1月15〜20日に江沢民国家主席(当時)の招請により、中国を訪問した。 その際、両国の親善関係の発展と、国際情勢をはじめとする相互関心事である問題について意見を交換、ともに「見解の一致」(00年6月1日発朝鮮中央通信、01年1月20日発朝鮮中央通信)をみている。 「勝利の象徴」部隊視察 軍部隊への視察が伝えられたのは1月16日発朝鮮中央通信配信以来のことだ。 3月16日発朝鮮中央通信によると、朝鮮人民軍近衛ソウル柳京守第105戦車師団指揮部を視察した。 「第105戦車師団は朝鮮革命の厳しい各年代に党と領袖を先頭に立って防衛してきた栄光に輝く近衛部隊」だと指摘。部隊の任務遂行と指揮官の訓練状況を了解し、部隊の戦闘力を強化するうえでの課題を示した。そして、思想活動に最優先的な関心を払うべきであると強調し、師団に確立された革命的な読書気風を高く評価した。 同師団については60年8月25日、金日成主席とともに訪れたのが初めてで、ここから「先軍革命領導の第一歩」(05年8月25日、金永春総参謀長)が踏み出されたという。 総書記の同師団視察は昨年12月8日発朝鮮中央通信でも伝えられた。「(60年8月25日の)忘れられない歴史のその日から22回目」(同通信)の視察だった。 同師団は、「朝鮮戦争開戦3日後にソウルに突入し、西大門刑務所を解放し、『中央庁』に共和国旗をなび」かせ、「水原解放戦闘と大田解放作戦などのさまざまな戦闘で輝かしい偉勲をたて」た(労働新聞2月8日付)。つまり、「勝利の象徴」になっている部隊だ。 国内世論が、強盛大国のれい明が訪れていると報じている時期に相次いでこの部隊を視察したことは注目される。 また、朝鮮人民軍第350軍部隊指揮部も視察した(3月19日発朝鮮中央通信)。 核施設付近の工場へ そのほか博川絹織工場(平安北道)を現地で指導(3月13日発朝鮮中央通信)した。同工場のある博川郡は、核施設のある寧辺郡に隣接している。 この指導の朝鮮中央通信配信日、国際原子力機関(IAEA)のムハンマド・エルバラダイ事務局長一行が平壌に到着。翌日まで滞在し、朝鮮の関係者と協議した。 同局長一行の訪朝は、第5回6者会談第3ラウンド(2月8〜13日)での合意直後、朝鮮側の訪問要請をIAEA側が受け入れ実現したもの。 総書記は00年6月21日にも博川絹織工場を訪れている。そのときは寧辺絹織工場も指導している。(呉陽希記者) [朝鮮新報 2007.4.11] |