〈今月の金正日総書記−2月−〉 「経済発展に重要な位置」 咸鏡北道を指導 |
朝鮮中央通信が報道した金正日総書記の2月の現地指導は、咸鏡北道での指導のみだった。総書記は2月16日、65回目の誕生日を迎えた。 先鋒的な役割果たすべき
朝鮮中央通信によると、総書記は、咸鏡北道清津市内の革命事績事業、清津鉱山金属大学(以上2月7日発)、漁郎川1号発電所と長淵湖養魚場、清津基礎食品(しょう油、味噌、調味料などを指す)工場と軍民発電所(以上2月8日発)を指導した。 総書記は、現地指導期間、咸鏡北道の経済を新たな高い段階へと盛り立てていくうえでの課題を示した。そして、「咸鏡北道は金属工業、採取工業をはじめ人民経済先行部門の企業所を多く有していることから、国の経済発展において重要な位置を占めている」と述べ、経済強国建設において先鋒的役割を果たすべきであると指摘した。 また、羅南区域に建立されている金日成主席の銅像と末陰革命史跡地、スローガン樹木保存教育室を見て回り、「チュチェの伝統が代を継いでしっかり継承されているので、朝鮮革命は上昇一路をたどっている」と述べた。 清津鉱山金属大学では、技術水準の高い科学者、技術者を短期間に多数養成し、「国の採取、金属工業の発展に重要な意義を持つ新しい科学技術分野を広く開拓」し、「全般的科学技術の画期的な発展のために積極的に寄与すべき」と強調した。 一方、清津基礎食品工場では、この数年間に各地で基礎食品工場が建設されていることについて触れ、「計画されているこのような工場の建設を全部終えれば、わが人民の食生活で画期的な転換が起こるだろう」と指摘した。 1月に続き発電所への指導(漁郎川1号発電所、軍民発電所)も行われた。 誕生日当日、活動報道なし 今年は65歳の誕生日だったが、規模は例年通り。2.16慶祝中央報告大会(2月15日)をはじめとする政治、文化、スポーツなど様々のイベントが催され祝賀ムードでにぎわった。 朝鮮労働党中央委員会、朝鮮労働党中央軍事委員会、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会、最高人民会議常任委員会、内閣は16日、総書記に共同祝賀文を送った。 祝賀文は、「総書記の老熟で洗練された領導によって革命の難局が打開され、社会主義強盛大国の黎明が訪れ、わが祖国は堂々たる強国の地位に上がった」と強調した。 党と国家、軍が過去形を用いて「難局の打開」「黎明の訪れ」に言及していることは注目される点だ。 総書記の誕生日については95年、2月16日を「民族最大の名節」に制定する中央人民委員会(現在の最高人民会議常任委員会の前身)の政令が発表(金日成主席の批准は92年)されている。 総書記の当日の活動についての報道はない。ちなみに総書記は、02年の自身の誕生日に際し、盛大な慶祝行事を催すことを止めるよう指示したと伝えられている。 軍関係視察伝えられず 軍関係視察の報道はなかった。 2月は、朝鮮半島と東北アジアに新しい情勢が作り出された月だった。 2月中旬の第5回6者会談第3ラウンドで、朝鮮半島の非核化の原則と方法が明示された9.19共同声明履行の初期段階行動措置についての合意文書が発表された。朝鮮半島非核化に向け大きな第一歩を踏み出した。 軍関係視察がなかったのは、合意履行の雰囲気をふまえた配慮だったのかもしれない。 ちなみに昨年は、57回の軍部隊への視察のうち7月と10月に報道がなかった。7月は、ミサイル発射訓練、10月には核実験が行われ、朝鮮半島をめぐる状況が一変した時期だった。 以上のほか、2月1日発朝鮮中央通信によると、新年(旧暦)に際し、中国共産党総書記の胡錦濤国家主席、キューバ共産党中央委員会第1書記で国家評議会議長のカストロ閣僚評議会議長、ロシアのプーチン大統領をはじめ各国の指導者に年賀状を送った。(呉陽希記者) [朝鮮新報 2007.3.16] |