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西播初中で公開授業、日本の教諭ら 民族教育への理解深める

互いを尊重、共生する社会を

 日本の教育関係者らを対象とした西播朝鮮初中級学校第3回公開授業が11日に行われ、姫路市教職員組合の牛尾徹明執行委員長、「姫路・朝鮮学校を支援する市民の会」の竹中隆一市議をはじめ市内の小、中学校教諭ら約50人が訪れた。授業を参観したほか、校長、教育会会長とも懇談し、午後に行われた愛校祭にも参加。朝鮮学校に対する理解を深めた。

「朝鮮語で授業」に驚き

授業を参観する日本の教育関係者ら

 この日、校内には学校沿革に関する写真や生徒たちの美術、書道作品、朝鮮学校初、中、高級部の教科書などが展示された。愛校祭では生徒と教職員、同胞らが歌や踊りを披露。バザーや飲食コーナーなどで賑わった。

 公開授業では国語、日本語、数学、理科、社会、音楽などが行われたほか、中級部では合同で、同校の李相元教員と姫路市立夢前中学校の中濱久喜教諭によるチームティーチング「古代朝鮮移住民−播磨の中の朝鮮文化―」が行われた。

 初級部5年生は社会の授業で「徳川氏と江戸幕府」について学んだ。4年生の国語の授業は、発明家エジソンに関する口演発表会形式で行われた。参観した日本の教諭らは、「日本の歴史を朝鮮語で教え、それを生徒たちが普通に理解していることに驚かされた」と感想を述べた。インターネットと電子黒板を用いた数学の授業や、心臓の働きを学んだ理科の授業など、授業の内容や教授方法にも注目が集まった。

 市立飾磨西中学校からは教諭と生徒がともに参加。初めて朝鮮学校の授業を参観した生徒らは、「みんな明るくて学校が楽しそう。朝鮮語と日本語の両方を話せることに驚いた」と感想を述べた。

交流の大切さ認識

中級部を対象に行われたチームティーチング

 公開授業のあと、同校の許敬校長が朝鮮学校の現状や民族教育の理念について説明。「民族を守る立派な朝鮮人として在日同胞社会と日本社会に貢献する人材を育てている。互いを尊重し共生する社会を築きたい。これかも交流を深めていこう」と語った。

 同校は近隣の日本学校2校と姉妹関係を結び、教職員、生徒、保護者らが行事や授業の一環として互いに行き来しながら交流を深めている。昨年、「少年の主張」兵庫県大会で同校生徒が国際交流をテーマに最優秀賞を受賞するなど、交流の意識は年々深まりをみせている。この日、同校を訪れた日本の教諭らも「触れ合ってこそわかり合える。その大切さを知った」「朝鮮学校に関してまったく無知だった。朝鮮と日本の両方の文化を尊重するすばらしい子どもたちが育っている」などと感想を残した。

 市教育委員会学校教育部人権教育課の川端久美子指導主事は、「朝鮮学校に興味を持つ先生は多いけど、なかなか足を運べないでいる。今日は初めて訪れた先生方も多く、ありのままの朝鮮学校や生徒の様子を伺える良い機会になったようだ」と語った。

 市立高浜小学校の小幡郷樹校長は「子どもたちがみんな楽しそうにしているのが印象的だ。幼い頃からいろんな国や民族の文化や見方を肌で感じることが大切。交流がさらに広がればいい」と感想を述べた。(李泰鎬記者)

[朝鮮新報 2007.11.19]